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中国経済に回復の兆し

11/16(土) 9:15配信

LIMO

中国の7-9月期実質国内総生産(GDP)成長率は+6.0%と、当社予想の通りとなり、市場予想の+6.1%をわずかに下回った。世界第二位の経済大国である中国の経済成長は、大規模な景気刺激策が打ち出されない中にありながらも、比較的良好さを維持している。当局は、十分な流動性を確保するための措置を講じる一方、既に高い不動産価格が更に高騰する事態を回避するため、大規模な刺激策は控えている。

中国の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率の推移を見る

対照的に、世界の他の主要中央銀行は、自国経済への下方圧力の増大を緩和するため、新たな金融緩和策に着手している。欧州中央銀行(ECB)は11月に新たな債券購入プログラム(月額200億ユーロ)を開始する。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国経済の減速懸念を抑えるため、7月と9月に政策金利を引き下げたのに続き、10月にはさらに今年3度目の利下げに踏み切った。

景気回復の表れ

中国の実体経済は、活気ある国内消費支出に支えられ、外部ショックに対する抵抗力を強めている。実際、9月の鉱工業生産の伸び率は前年同月比+5.8%となり、市場予想を上回るとともに8月の+4.4%から上昇が加速した。コンピューターおよび電子機器、電気機械の生産が大きく伸び、自動車生産の落ち込みを相殺した。

9月の自動車販売台数は前年同月比-2.2%であったが、前月の-8.1%減からは改善している。9月の小売売上高を見ると、市場予想通り前年同月比+7.8%となり、伸び率は8月の+7.5%を上回った。

生産性の伸びが鈍化する中で、7-9月期の実質GDP成長率は過去最低を記録したが(四半期GDP統計は1992年から算出開始)が、そもそも経済規模は1992年当初の約33倍となっている点を忘れてはならない。世界銀行の統計によると、中国の経済規模は1992年の4,269億米ドルに対して2018年は14.1兆米ドルに達している。

当社では、現在の経済成長率の減速は、過去20年間に「ホッケーのスティック」のような急カーブの上昇が見られた後の、安定化局面を示すものと見ているが、経済に下方圧力が働いていることもまた事実である。それでも現在、景気が底を打つ兆候も表れている。最新の李克強指数(注)やOECD景気先行指標などのデータは、中国経済の回復または安定化を示している。

(注)中国経済の実体を示す指標で「電力消費量」、「鉄道輸送量」、「銀行融資」の3指標から算出される。

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最終更新:11/16(土) 9:15
LIMO

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