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世界最大の寒冷地テスト施設に潜入 極寒の世界 秘密は「スノーハウ」 後編

11/16(土) 18:50配信

AUTOCAR JAPAN

スピード測定は光学センサー

テストドライバーのエルノ・マキが、トラクションやブレーキング、スタビリティをμの異なる路面で評価すべく、「ノルディック」ウインタータイヤを履いたeゴルフを結構なペースで走らせている。

【写真】世界最大の寒冷地テスト施設 (6枚)

右側のタイヤはウェット路面におけるeゴルフのブレーキングと加速を、左側は氷結路でのそれぞれの性能を試しているのだ。

例え冬でも屋外でこうした路面状況を創り出すのは難しいが、屋内であれば一年中管理されたコンディションのもとで試験を行うことができる。

春に始まったこうしたテストは真夏の間も続けられており、お陰でタイヤメーカーは、EU基準に適合した「スリーピークス」と呼ばれる冬用タイヤのウェットグリップ性能やノイズ、燃費性能に関するデータを集めつつ、完ぺきなコンパウンドの配合とトレッドパターンを見つけ出すことができるのだ。

マキはかつて趣味で609psを発揮するラリークロスレーサーのメカニックを務めていたが、いまの仕事では慎重にそれぞれの車両やタイヤにあったペースでテストを行うことが求められている。

テストワールドのフォルクスワーゲン・ティグアンのステアリングを握る彼が、素晴らしい才能の持ち主であることは直ぐに分かった。

一般的に速度計測で使用されるGPSセンサーは、金属で覆われたテスト施設内では使い物にならないため、正確なスピード測定を行うべく光学センサーが取付けられた今日のeゴルフは、まったく魅力的には見えない。

このどこにでもあるようなセンサーは、路面に向けてビームを発射することで速度を計測するが、この高い正確性を誇る光学センサーの価格は、1万5000ポンド(209万円)という驚くべきものだ。

われわれの目の前でeゴルフが雪に覆われたコース外に突っ込むようなことがあれば、マキのキャリアもタダでは済まないだろう。

まるで新雪 スーパーカーメーカーも

次の建物にあるのがインドア1とインドア3だが、インドア4とインドア5とはまったく異なり、13mの幅をもつコースは一面真っ新な新雪に覆われている。

4月からテストが行われているというのに、雪はまるで新雪のような状態を保っており、ティグアンでフルロックを試すと、キュッキュッと心地よい音を立てる。

インドア1とインドア3はインドア2と接続することで、雪に覆われた1kmのテストコースを創り出すこともできる。

だが、インドア1とインドア3ではいま英国のスーパーカーメーカーが新型モデルのトラクションコントロールのセッティングを行っているために、今回はインドア2にだけを見学することができた。

実は今朝、ホテルの朝食会場でこのスーパーカーメーカーのロゴが入ったウェアを着たエンジニアの一団を目にしており、彼らが来ていることは知っていたのだ。

インドア2の雪も驚くべき柔らかさを保っており、まるで降ったばかりの新雪のように踏みしめると心地よい音を聞かせてくれるが、すでに数カ月もテストで使用されていることを考えると信じられない。

800kgのトレイラーでピックアップトラックが雪面をならす様子を見ていたが、4本のタイヤには10mmのスパイクが取付けられている。路肩にはザクザクとした氷のような雪が見えるが、マキは例えティグアンがコントロールを失っても、建物の壁に穴を開けないためのものだと言う。

9mの幅しかないコースは非常に狭いが、広いレーンへと出入りするためのスペースには事欠かない。

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最終更新:11/16(土) 18:50
AUTOCAR JAPAN

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