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ロンドン金融街、労働党敗北に賭け-新政権誕生警戒も対策取らず

11/16(土) 4:02配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 英金融界はジョンソン首相に対して批判的な姿勢をとり続けてきた。だが12月の総選挙で最大野党の労働党が勝利する事態となれば、もっと暗い見通しが待ち構える。

富裕層増税やサッチャー時代に民営化した企業の再国有化を掲げる労働党のコービン党首は、主要政党の党首としては1980年代の金融ビッグバン以来初めて、シティーの力を脅かしかねない存在となった。ファミリー・オフィス・アドバイザーズの創業パートナー、ジョン・エルダー氏は「コービン政権誕生となれば、英国で長年培われてきたもの全てが根本から変化する」と警戒感を示す。「知的資本や金融資本は逃げ出し、国際市場は英国の信用格付けを厳しく見直すことになるだろう」と述べた。

バンカーやヘッジファンドマネジャー、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社の幹部らは選挙結果について公に話したがらない。選挙後に誕生する政権から目を付けられたくないためだ。

ブルームバーグが接触した金融業界の関係者らは、労働党単独政権が成立する可能性はほとんどないと考えている。労働党が率いる連立政権が樹立される最悪シナリオでも、コービン氏は自身の政策を加減せざるを得ないだろうとみる。

直近5回の世論調査では、与党・保守党が労働党を平均で10ポイント余りリードする。それでも労働党が政権を奪取する道は依然ある。事前の世論調査と実際の結果が食い違ったことは過去に少なくなく、欧州連合(EU)離脱問題も絡み今回の予想はいっそう難しい。110万人が働き、英国内総生産(GDP)の6.9%を占める英金融業界が予想しなかった結果となれば、多くの企業は急いで対応策をとらざるを得ない。

コービン政権誕生ならすぐさまロンドンを脱出する企業に新税を課すだろうと、あるヘッジファンドは警戒する。同ファンドはその事態に備え、ロンドンの業務を引き継ぐ事業体を別の司法管轄区域に設立することを模索した。ただ、コービン氏勝利の確率が十分に低いと考えられる上、複雑でコストもかかることから構想は棚上げになったという。

同様の計算を行っているところは他にもある。大手銀行の幹部はコービン氏と「影の財務相」を務めるジョン・マクドネル氏のコンビなら、ロンドン金融街にとって破滅的だとし、自分の銀行もロンドンの拠点を大幅に縮小することになると語った。それでも選挙の行方がより明確になるまで、大規模な対策は講じない見通しだ。

原題:The City of London Is Gambling on a Jeremy Corbyn Defeat(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Tom Metcalf, Nishant Kumar, Benjamin Robertson

最終更新:11/16(土) 4:02
Bloomberg

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