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事故を起こしても上級国民の資産は守られる【「表と裏」の法律知識】

11/17(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【「表と裏」の法律知識】#13

 先日、池袋暴走事故の被疑者である旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長が書類送検されました。警察官による送致意見は、刑事裁判にすべき(起訴すべき)という「厳重処分」だったとのことです。

 この件で飯塚被疑者が起訴された場合、直ちに刑務所に入れられる実刑判決を受けることも考えられます。そのため、弁護側は審理を引き延ばし、飯塚被疑者が天寿を全うするのを待つ戦略を取る可能性があるのではないかと指摘されています。

 もし、飯塚被疑者が判決前に死亡した場合は刑事事件は終了します。一方、飯塚被疑者が死亡した場合でも子らが相続放棄をしない限り、子らには何千万円もの損害賠償金の支払い義務が残ります。それゆえ、子らは相続放棄するのではないかともいわれています。

 しかし、損害賠償についていうと、保険会社が被害者遺族に支払うべき賠償金を全額支払いますので、飯塚被疑者の遺産には全く影響がありません。つまり、保険会社がしっかりと賠償金を払う以上、飯塚被疑者の個人資産で被害者に弁償することはないのです。そのため、飯塚被疑者の子らは相続放棄する必要はなく、遺産を丸々相続できることになります。

 資産を守るために損害保険に入っているわけですが、なんとなく腑に落ちないという方も多いかもしれません。

(髙橋裕樹/弁護士)

最終更新:11/17(日) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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