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【漢字トリビア】「仁」の成り立ち物語

11/17(日) 11:08配信

TOKYO FM+

「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今日の漢字は「仁義」「仁愛」の「仁(ジン)」。
(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年11月16日(土)放送より)

にんべんに漢数字の「二」と書く「仁」という文字は、甲骨文字の時代から存在し、そのなりたちには諸説あります。中国最古の字書『説文解字』によれば「人が二人、相親しむ」様子を表すとされ、北宋の時代の書物に記された字体からは「母の胎内に子が宿っている形」と解釈されました。

性善説を唱えた儒学者・孟子いわく「惻隠(そくいん)の心は仁の端なり」。それは、幼い子が井戸に落ちそうになるのを見て、無意識のうちに助けようと思う気持ちにたとえられます。「仁」の始まりは根源的な愛情であり、人をいつくしみ、思いやる心。

「仁」とは、ひとりで生まれることもできず、生きていくこともできない私たちに必要な心。「いつくしむ、めぐむ、思いやる」という意味をもつ漢字です。

ではここで、「仁」という字をあらためて感じてみてください。

独自の解釈で漢字をひもといた白川静博士。彼は、人の腰の下に「二」の文字が添えられた古い字体に注目し、「仁」という漢字を、人が敷物に座る姿に見立てました。その様子から、「暖かい、なごむ」という意味を導きだしています。三千年以上のときを超えて使われる漢字には、失われゆく美徳や感性をよみがえらせる力が宿っているのです。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。その想いを受けとって、感じてみたら……。ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献 『常用字解(第二版)』(白川静/平凡社)
『こわくてゆかいな漢字』(張 莉/二玄社)。

(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」11月16日(土)放送より)

最終更新:11/17(日) 11:08
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