W杯日本大会で8強入りした日本代表のロックで、今季限りでの引退を表明する近鉄のトンプソン・ルーク(38)が先発出場。後半14分に交代するまで、いつもと同じように体を張ったプレーでチームを鼓舞した。
トンプソンのラストシーズンが始まった。W杯の激戦から体を癒やし、チームに合流してわずか2週間。有水監督には「チームにまだフィットしていない。個のプレーは別格だが、他の14人とリンクしていくのはこれから」と言われる状態。それでも、「大丈夫。近鉄でのプレーも14年目」と出場を志願した。
スタジアムには、トップチャレンジでは異例の観衆5068人が集まった。「ラグビーの雰囲気が変わった。にわかも前のファンも、たくさん来てくれてうれしい。テンションが上がるし、エナジーも満タン」。接触で眉間の右に傷を負っても「これでモデル人生が終わった」と笑い飛ばした。
この日は家族が応援に駆け付けた。子ども3人と観戦した妻ネリッサさんは、6~7年前から引退をほのめかしては「もう一年」と続けてきたと明かし、「でもこれが最後。体が潮時だと言っている。大好きな日本を離れるのは寂しいけど、次の人生もある」。一家は母国ニュージーランドに戻って牧場を経営する。
38歳の鉄人のやり残しは後継者の育成だ。「能力があれば成功を約束されているとは思ってほしくない。努力とハードワークによって心技体が鍛えられる」。残り6試合。24日は自宅近くの花園ラグビー場で、豊田自動織機との大一番を控える。「花園で試合をする最後のチャンス。明日からの準備が大切」。身をもって示していく。
最終更新:11/17(日) 20:05
中日スポーツ
読み込み中…