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「死後さばきにあう」は廃版だった キリスト看板、制作の裏側に迫る 50万枚貼った聖書配布協力会の実像

11/20(水) 7:00配信

withnews

黒地のトタン板に聖書の言葉が染め抜かれた「キリスト看板」。全国で目にするこの作品群は、どのように生み出されるのか? 掲示による伝道活動を続ける聖書配布協力会の本部を訪ね、制作の裏側に迫った。(北林慎也)

【写真】キリスト看板、これが原板! QRコード付き最新仕様も

キリスト者の「有志連合」

郊外を車で流しているとよく出くわす、あのキリスト看板。
宮城県丸森町に本部がある「聖書配布協力会」が、制作と掲出を続けている。
彼らは、自らの教義や教祖を持つ宗教法人ではない。
聖書を信仰の拠りどころとするプロテスタント系のクリスチャンの集まりで、読んで字のごとく「聖書の配布に協力する会」という説明が最も適切かもしれない。

戦後、アメリカから松島基地に進駐した信心深い衛生兵や現地の日本人らによって1950年ごろに組織された。今風に言えば「有志連合」だろうか。
宮城県丸森町内に拠点を構え、冊子の配布や街宣といった「伝道活動」に飛び回っている。

設立母体を同じくするIT企業や幼稚園、その他あまたの「キリスト者」からの寄付などが活動の原資だ。
会計や登記、税務処理をクリアにするため、運営主体として2016年に一般社団法人「ヘルピング・ハンズファウンデーション」を設立した。現在、日本を含めてロシア、韓国、ブラジルなど13カ国で活動する。

何はさておき救援活動

彼らの伝道活動の一環として、キリスト看板は貼られている。
青森県での活動に同行取材させてもらった「看板部隊」の朝岡龍さん(31)の案内で、11月初旬に本部を訪ねた。

本部にはコアメンバーと家族ら約100人が暮らし、子弟が通う小学校が隣接して建つ。
機能的で実用的なアパートメントやプレハブ小屋が並び、別荘地のちょっとしたペンション村といった趣だ。

本部のある宮城県丸森町は、台風19号による大雨で甚大な被害に見舞われた。
町内各地で土砂崩れや河川の決壊による住宅浸水が発生し、大規模な停電や断水が長く続いた。
今も、多くの住民が避難生活を余儀なくされている。

ただ、本部敷地沿いの河川はかろうじて越水を免れ、建物もメンバーも無事だった。
現在は、組織を挙げての救援活動に取り組んでいる。
キャンピングカーのメンテナンスをするテントは、全国から集まった支援物資のペットボトル入り飲料水や毛布で埋め尽くされている。
断水の間、給水車を何台も調達して被災地を走らせた。
街宣車も、宣伝スピーカーを取り外してデリバリーバンに仕立て、物資を詰め込み避難所を回ったという。

9月から青森県内で看板貼りを続けていた朝岡さんは、台風19号の被害を聞いて急きょ、10月14日夜に本部に戻った。
休む間もなく、翌15日には救援活動に飛び出す。

無償の救援活動こそは、キリスト者としての隣人愛の最大の実践。その間、伝道は二の次だ。
朝岡さんたちにとって、それは当たり前の行動だという。

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最終更新:11/20(水) 10:33
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