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おひとりさまブームに逆行? 「バーチャル家族」付きモデルハウス誕生、仕掛人の切実な狙いとは

11/18(月) 11:50配信

アーバン ライフ メトロ

赤の他人3人による家族団らんとは果たして……

 PR会社から送られてくる膨大な数のイベント情報メールを眺めていたところ、異様な異彩を放つタイトルが目に留まりました。

【現地ルポ】他人同士がひとつ屋根の下……まるで本物の家族のようなあたたかな空気に包まれた

「家族とのリアルな生活体験ができる 世界初、『モデルファミリー付きモデルハウス』」

 ……モデルファミリー付きモデルハウス? 何でも、役者さんが演じる妻と娘(7歳)が出迎えるモデルハウスで、参加者(30代前後の未婚男性を想定)が父親役になりきって、家族とマイホームで過ごすことの喜び・楽しさを味わう「リアルなバーチャル家族体験サービス」なのだそう。

 ついに時代は疑似家族を提供するまでに至ったのか。果たしてどんな男性がイベントに申し込んでくるのか、そしてバーチャル妻子とどのような時間を堪能するのか――。これは取材せずにはいられません。

 イベント開催日は2019年11月17日(日)、「家族の日」という手の込みようです。現地で目撃した疑似家族3人によるのほのぼの団らんの様子をレポートします。

 国分寺駅から徒歩10分ほどのところに建つ、端正なたたずまいのモデルハウス(小金井市貫井北町)。応募多数により厳正なる抽選で選ばれた5人の男性たちが、順繰りに現地入りして約20分間の疑似家族体験を行います。ちなみに参加費は無料です。

 そのなかのひとり、江戸川区在住27歳の会社員男性は、日曜日にもかかわらず几帳面にスーツ姿で登場。

 両親との3人暮らし。未婚。恋人はおらず、目下募集中なのだそう。

「ツイッターでこのイベントの告知を見つけて、家族や家庭という体験を一度はしてみたいと思って応募しました。自分が将来、必ず家庭を持てるという確信はないので……」

 ちょっと意味深な参加動機を言い残し、モデルハウスのおしゃれな木製ドアを開けバーチャル妻子の待つ家の中へと足を踏み入れていきました。

貞淑で清楚な妻と、爛漫なひとり娘による「おもてなし」

娘「パパ、おかえり!」

妻「おかえりなさい、あなた。買い出しありがとうね」

 おてんば全開な愛くるしい娘と、清楚で品のある美人な妻。絵に描いたような妻子ふたりが玄関で「夫(参加者)」を出迎えました。

 男性はふたりに導かれるように家へ上がり、玄関で靴の片づけをすることでシューズクローゼットの広さを、2階の洗面所で手を洗うことで水回りの清潔さを、つまりこの家の作りの良さを次々に見せつけられていきます。

 モデルハウスは2階建ての2LDKで土間・書斎スペース付き。延床面積は、1、2階それぞれ45.54平方メートルとややコンパクトなサイズですが、2階の台所ど真ん中にしつらえられたアイランドキッチンに、リビングでくつろぐのにちょうどいいL字型ベンチと、若い夫婦と子どもの楽しい暮らしを彩ってくれそうな設備が満載です。

 さらに階段の踊り場には、娘が宿題をしたり夫婦が本を読んだりできる書斎スペースも。収納も豊富で、空間を生かした設計が随所に光ります。

 夫(参加者)は、娘の算数の宿題を見てあげて「すごーい! パパ天才!」とほめられたり、妻に「ねえパパ、1杯だけ飲んじゃおっか?」と誘われてビール片手にバルコニーでくつろいでみたり。とにかく家じゅうの機能をフルに利用しながら家族の日常を体験。

妻「今日は外は寒かったでしょ? その点、この家は気密性が高いから冬も温かく過ごせるのよね」

妻「ダイニングのテーブルを移動させて、パーティー仕様にセットしましょう。使い勝手がいいように建築士さんが考えてくれたデザインなのよ」

妻「このバルコニー、車通りに面しているのにそんなにうるささを感じないわよね。屋根部分が半分吹き抜けになっているおかげで開放感もばっちり」

 このように、妻がちょいちょい差し挟んでくるモデルハウスの宣伝用台詞に若干戸惑いを覚えつつも、夫(参加者)は妻子との触れ合いにすっかりデレデレの表情です。メディア関係者やスタッフたちは、3人の団らんを邪魔しないよう別室のモニター越しに彼らの様子をウオッチ。

夫(参加者)「頭いいんだねー、カスミ(娘)は。きっとママに似たんだね」

そうしみじみ語る優しげな笑顔は、もはや7歳の娘を持つ父親そのものだったかもしれません。

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最終更新:11/18(月) 11:50
アーバン ライフ メトロ

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