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【女子バスケオリンピックプレ予選】クアラルンプール戦記(3)逞しくなった渡嘉敷来夢のさらなる余白

2019/11/18(月) 17:05配信

バスケットボールスピリッツ

アジアカップでハードなコンタクトをしていたディフェンスも、キャンベージらオーストラリアのビッグマンに対して貫いた。

いいポジションでボールをもらわせないよう、オフボールのときから体を当てて、少しずつ外へと追いやった。

「ただキャンベージは、中国のセンターや(同じオーストラリアのカイラ・)ジョージと違って、体の幅が広くて、彼女の腕が自分の顔や肩のあたりに当たるんですよね。それをどう攻略するかを考えたい。でも手応えがないわけじゃないので、たぶん次はもっと上手に守れるんじゃないかと思います……でも痛かった」

一足飛びに世界基準に達せられるわけではない。

足りないものはひとつひとつ積み上げていくだけだ。

ディフェンスではまず自分が体を張って、世界屈指のビッグマンを追いやっていく。

それでもいいポジションを取られたら、すかさず「助けて!」と声を上げる。チームで守ることで日本の弱点を抑えていくしかない。

このあたりが、渡嘉敷が逞しくなっていると感じるところの1つだ。

1人ですべてを何とかしようとするのではなく、助けてもらうところは自ら「助けて!」と言える。

立派な状況判断である。

日本国内では誰も止められない渡嘉敷だが、世界に出れば、身長もさることながら、プレーの質でも彼女の上を行く選手はたくさんいる。

昨年度のワールドカップをケガのため参戦できなかった渡嘉敷だからこそ、今再び世界との本気の戦いを渇望している。

キャンベージとの対戦を心待ちにしていた渡嘉敷は、結果として7得点・3リバウンドに終わった。

しかし結果以上のものを得られたと実感している。

「この大会に出てよかったです。特に今日の試合が自分にとってよかったのかなって。もちろん勝つことも大事ですけど、キャンベージとやりあえるのはいい経験になったなって思います。同じ年ですしね。負けられないんですけど、向こうもちょっとは意識してるんじゃないですかね。頑張ります」

次にキャンベージと対戦する可能性があるのは東京オリンピックだ。

そこではもう「経験のため」などとは言っていられない。

一定の結果も求められる。

そのためには12月から再開されるWリーグでの戦い方が、渡嘉敷個人にとっても重要になってくる。

「相手が誰であれ(3ポイントシュートを含めた)シュートを打っていくことが大事だなと思うので、リーグ戦でも前が空いたら思い切って打っていきたいと思います。JX-ENEOSサンフラワーズが勝つことももちろん大事ですけど、世界を見据えて……2月のOQTに向けて、どう勝つかを考えながら、あと3か月をやっていかなければいけないと思います」

以前に比べて格段に逞しくなった渡嘉敷だが、まだまだその余白は大きい。

もっともっと逞しくなって、今度はたとえキャンベージが上から降ってこようとも、冷静にフェイクでかわして、シュートを決めてほしい。

そして「ふん、どんなもんだい」くらいの表情をキャンベージにぶつけて、ディフェンスに戻ってほしい。

それでこそ日本の大黒柱、渡嘉敷来夢である。

三上太

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最終更新:2019/11/18(月) 17:05
バスケットボールスピリッツ

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