ここから本文です

[インタビュー]「格納建屋の空隙は補修不可能…ハンビッ3、4号機再稼動させるな」

11/18(月) 12:27配信

ハンギョレ新聞

日本の原発専門家、後藤政志氏インタビュー 空隙発見された原発の再稼働を憂慮 日本政府の福島原発の事後対策を批判 「トリチウムの安全性、検証されていない」

 「格納建屋の空隙問題が深刻なハンビッ3、4号機は再稼動してはいけません。問題を完璧に解決する補修工事そのものが現実的に不可能だからです。原子力発電所の格納建屋は安全の『最後の砦』です。これくらいなら大丈夫だという判断が間違っていたと分かるのは、原発事故が起きて格納建屋が爆発した後だけです。その時は取り返しがつきません」

 日本の原発安全専門家、後藤政志博士(70)は13日、ハンギョレのインタビューに応じ、ハンビッ3、4号機の補修工事問題に深い憂慮を示した。市民団体「原発危険公益情報提供センター推進委員会」が主催する原発安全技術問題アカデミーの講演のため来韓した後藤博士は、東芝で20年間(1989~2009年)原子炉の格納容器の安全設計を研究した工学者だ。2011年3月の福島原発事故の直後に「炉心溶融(メルトダウン)」の危険性を最も早く指摘した人物の一人でもある。

 後藤博士は現在、ハンビッ3、4号機の空隙(くうげき。セメント内に生じた気泡を原因とするコンクリート内の穴)による格納建屋の欠陥問題を研究中だ。格納建屋は原発の心臓部である原子炉と冷却装置などを保護する構造物で、事故が発生した際、放射性物質の漏れを防ぐよう鋼鉄板とそれを取り巻く厚いセメントからなる多重防護壁だ。チェルノブイリや福島も制御システムが故障し、冷却装置がきちんと機能せず、原子炉が溶け出し、水蒸気や水素が激増し、膨大な圧力に耐え切れなくなった格納容器(チェルノブイリは屋根)が爆発し、災厄が始まった。

 ハンビッ3、4号機は2017年から明らかになり始めたコンクリート壁の空隙数が9月現在でそれぞれ124個、121個におよび、加えて7月には4号機でコンクリート壁の厚さ(167センチ)に迫る直径157センチの超大型の空隙が明らかになっている。

 後藤氏は「コンピューターシミュレーションで計算してみると、空隙の周辺は圧力加重値が4~5倍(推定値)に増す。それだけ耐える力が弱まるということ。特に空隙の直径が20センチを超えるとその危険性はいっそう高まる」として、空隙が格納建物の機能に致命的影響を与えると強調した。

 後藤博士は現在政府がハンビッ3、4号機の施工会社だった現代建設と補修工事について議論していることに対しても、次のように語り、憂慮した。「穴をセメントで埋める程度で簡単に解決できる問題ではない。空隙によるコンクリート内部の鉄筋の反りや溶接上の欠陥による鉄板腐食など、防護壁の健全性に影響を与えるさまざまな問題が完璧に解決されなければならないが、現実的に難しい。何よりもコンクリート壁の状態を100%確認すること自体が不可能だ。これほど空隙問題が深刻な原発の再稼働議論は、日本ではありえないこと」

 日本が韓国より原発管理が徹底しているなら、なぜ福島で原発事故が起きたのか。彼は原発が抜け出すことのできない本質的な危険性に言及した。「福島原発に事故対策がなかったわけではない。地震などで外部電源が切れても稼動できる非常用発電機などがあったが、超大型津波で水に浸かって作動しなかった。自然は人間が想定したリスクの臨界値をいつでも超え得る。我々が準備した対応策は、事故が起きてはじめて検証される。あらゆる技術は失敗を通じて発展し、安全性が確保されるが、原発技術にこの論理を適用することはできない。だから原発の存在自体が危険なのだ」。

 しかし後藤博士は、すでに起きてしまった福島原発事故に対する日本政府の無責任な対応に対しては強く批判した。「五輪を控え、安倍政権による隠蔽と歪曲がさらに深刻になっている。福島の汚染土を他の地域の建築工事に使うという発想は、放射能汚染を全国に広げるということだ。政府は福島の汚染土の上に非汚染土を舗装すれば大丈夫だというが、雨などで流され、汚染土が露わになるのは時間の問題だ」。

 後藤氏は、現在福島から流出し続けている汚染水のトリチウム(三重水素)問題について特に憂慮する。トリチウムは、日本政府が9月の国際原子力機関(IAEA)総会で「放射能汚染水からトリチウムを除くすべての放射性物質を浄化した」と主張したのをきっかけに注目されている放射性物質だ。日本政府と一部の科学者は、トリチウムが体内に吸収されてもすぐに排出されると主張しているが、後藤博士をはじめとする専門家たちは、低濃度トリチウムでもDNAに致命的影響を及ぼす恐れがあると批判する。トリチウムはセシウムやプルトニウムなどの他の放射性物質と違い、未だ浄化技術もない。それだけにより恐ろしい結果を招く可能性があるというのが後藤氏の考えだ。

 「放射性物質の深刻さは、多くの弊害が次の世代、その次の世代で現れるというのが問題。100年、200年後にこれが間違っていたと判断しても、その時は遅すぎる。常に存在する事故の危険と途方もない半減期、使用済み核燃料問題まで、原発は後代に残される重くて危険な荷物だ」。
文・写真/キム・ウンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:11/18(月) 12:27
ハンギョレ新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事