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奈良のとんかつ店「まるかつ」が無断キャンセル被害、購入申し出が拡散したワケとは?

11/18(月) 6:00配信

Lmaga.jp

全国の飲食店を悩ませている「無断キャンセル」。奈良のとんかつ店「まるかつ」(奈良市神殿町)も、その心ないイタズラ被害に遭ったが、金子店長の悲痛なSNSツイートに、常連客らから「買いに行きます!」という申し出が殺到。いいねの数も23万を超え、全国的に拡散している。なぜこの「まるかつ」がそこまで愛されているのか、金子店長にお話を伺った。

経産省によると、その被害額は年間約2000億円とも言われている「無断キャンセル」。「まるかつ」は今回、大量の弁当予約を受けたが、当日受け取りに来なかったという。金子店長によると、「無断キャンセルは平均すると年に1、2回。何度か電話して出られないときは諦めます」というように、有効的な対策がないのが実情だ。

ナンバーディスプレイ(電話番号の表示)をはじめ、前金制の導入、予約電話の録音、警察への通報、弁護士による回収代行など、世間ではさまざまな対策が講じられているが、金子店長は「大半の誠意あるお客さまの気分を害したり、無駄にお時間をいただいたりすることになります」と、否定的だ。それは客との関係・信頼を重視しているからこそ。救済の申し出が殺到したのも、この店長の人柄にある。

なぜ「まるかつ」がそんなに愛されるのか。それを顕著に表しているのが、2018年5月から始めた「まるかつ無料食堂」という企画。「世のなか、お互いさま。出世払いでもいいし、忘れてもらってもいい」と、お金のなくて困ったときでも店長のおごりでお腹いっぱい食べられるというもの。また、2018年冬には、豪雪被害に遭った福井県民を対象にした半額企画も。無論、店長とスタッフの丁寧すぎるほどの接客サービス(笑顔含む)は、この店にとっては通常営業だ。

金子店長は、「『無料食堂』を冷やかしで利用される方、悪用される方はほとんどいらっしゃいません。実はお叱りを受けるかもしれませんが、おそらく一番得をしているのは私だと思っています。『応援に…』と来てくださるお客さまも増えましたので、売り上げの点でもそうですが、なにより人の善意を心から信じられるようになりました」という。

そんな店長の人柄に惹かれて、無断キャンセルの被害をSNSで告白した際には、「買いに行きます!」という声が殺到。常連客はもちろん、「無料食堂」を聞いたことあるという人からも救済の申し出が多く寄せられた。金子店長は「今回の件で、多くの方が『今度は店長を助ける番』というようなコメントをいただきました。『お互いさま』に一番助けられているのは私だと思います」と語る。

さらに、「私どもは大したお店ではないです。これは謙遜ではなく、日々反省することも多いですし、お叱りを受けることもあります。ですが、気にせずに通ってくださるお客さま、遠方からお越しいただくお客さま、当店で食事をすることを目標に闘病されているお客さまなどが大勢いてくださいます。こんな幸せはないと、いつも感謝しています」とも。

今回の救済拡散に「大げさかもしれませんが、日本の将来は明るいとさえ感じました」という金子店長。最後、「まるかつ無料食堂」について聞いてみるとこう言い切った。「もちろん、継続していきます」と。

最終更新:11/18(月) 6:00
Lmaga.jp

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