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【あいのぼり ライヴレポート】『あいのぼり2nd singleリリースワンマン「君と僕の1秒」』2019年10月31日 at 渋谷LUSH

11/18(月) 13:02配信

OKMusic

 過去このバンドのことを“ポップバンド”と紹介したことがあった。それは、インディーズ時代からの音源を聴いて、その歌メロが分かりやすく、とても耳馴染みがいいこと。そして、メジャー1stシングル「涙のアーチ」と、9月25日にリリースした2ndシングル「1秒の花束」がともにミディアムのナンバーであって、歌重視のスタンスが貫かれていると感じたからであるのだが、この場を借りて、少し訂正させていただく。あいのぼりは“ロックバンド”だ。これが彼女たちのライヴを初めて拝見させていただいて、真っ先に思い浮かんだ率直な感想である。

あいのぼり 渋谷LUSH公演のその他の写真

 オープニングからして“バンド感”を前面に出していたように思う。まず斉藤広幸(Dr)がステージ上に現れてそのドラミングで正確なビートを刻む。そこに将(Ba)が登場。5弦ベースでグルーブを醸し出し、そこに小松慶太朗(Gu)が現れてエレキギターのストロークを重ねていく。3ピースのアンサンブルが場内に構築されたのち、真っ赤な衣装のアッカ(Vo&Gu)がステージイン。アコギを抱え、1曲目「ユメノボリ★~yume nou vory~」へとつないでいく。もしかすると、彼女たちには定まったSEがないことでの今回限りの演出だったのかもしれないけれど、あいのぼりのサウンドの替えの効かなさを誇示しているようで、冒頭から心強さを感じたところだ。

 本編11曲+アンコール2曲=計13曲と、決して曲数の多いライヴとは言えなかったが、その中でも十分にバンドアンサンブルのバリエーションがあった。この辺りにもまた“ロックバンド”らしさがあった。C&W調の「恋愛SPY-RAL」、シャッフルのリズムで迫る「モーニングターニング」、ニューオーリンズ風の「分からない」、ソウルっぽいブラスがフィーチャーされた「“DOUBUTSU”カラーバリエーション」…を同期を使いつつ、多彩なサウンドを聴かせてくれた。それはリズム隊の活躍の賜物であることは言うまでもないが、ギターの巧みさにも耳を惹かれた。ストローク、カッティング、アルペジオ、そしてリフからソロまで見せ場は満載だった。あいのぼりのメジャー作品はギタリストの是永巧一氏をプロデューサーに迎えており、以前に小松は是永氏との出会いによって “自分のギタリスト、ミュージシャンとしての立ち位置を発見した”と語っていたことがある。この日はそうした面を垣間見た気がする。

 特に演奏が冴えていたと感じたのは「1秒の花束」と、アンコールで演奏された「涙のアーチ」の両シングルナンバー。とりわけ「涙のアーチ」はこれまで1回しかライヴで披露したことがなかったというのが意外なほどに素晴らしいパフォーマンスだった。ミッドバラードながらそれぞれのパートがズシリとした存在感を見せる。ロックバンドのバラードはこうじゃなきゃいけない──その見本と言える、貫禄のプレイだった。これは上記2曲に限った話ではないけれど、アッカの歌も音源で聴くよりも迫力があって良かった。余談かもしれないが、ステージで歌っている時の彼女の方が「1秒の花束」のジャケ写よりも全然キュートだったし、MCでアッカが“予想の付かないバンドでいたい”と言っていた通り、いろんな部分で事前イメージの“全増し”だったと思う。

 この日、2020年4月15日に渋谷CLUB QUATTROにてワンマンライヴ『ユメノボリンピック2020』の開催が発表された。次回はそれこそ何増しかの箱でのワンマンとなるわけだが、この日のライヴを観る限り、彼女たちが会場に見合ったパフォーマンスができるバンドであることは間違いないだろう。動員の不安がないかと言えば嘘になる。だが、あいのぼりのようなロックバンドに対するニーズは確実にあるはずで、そういった人たちに彼女たちの存在が届けば、問題なくクリアーできるのではと思う。

撮影:倉谷英実/取材:帆苅智之

セットリスト

1. ユメノボリ★~yume nou vory~
2. 恋愛SPY-RAL
3. モーニングターニング
4. 分からない
5. ダイダイブルー
6. “DOUBUTSU”カラーバリエーション
7. 1秒の花束
8. あまくって あかくって
9. GO!ソーダ!
10. あい、のぼります!
11. 手のひらの落書き
<ENCORE>
1. 涙のアーチ 
2. ヒトリゴト

OKMusic編集部

最終更新:11/18(月) 13:02
OKMusic

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