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昨年は指揮官経験者が不人気だったが…新監督の人選に異変

11/19(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【メジャーリーグ通信】

 オフに入って最初に行われるのは新監督選びである。メジャーリーグの新監督選びの特徴は、年によってハッキリした傾向が出ることだ。

 昨年は「監督経験のないベンチコーチ経験者」が1番人気で、6人の新監督のうち3人がそうだった。その一方、指揮官経験者は不人気で、新監督の座を手にしたのは1人しかいなかった。

 このような現象が起きたのは、データを分析して監督に作戦の立案や選手起用を助言するベンチコーチの役割が重要性を増していることもあるが、それ以上に前年までアストロズのベンチコーチだったアレックス・コーラがレッドソックスの監督に就任早々、新思考でチームを蘇らせ、頂点を極めたことが大きい。各球団はそれを見て、二匹目のドジョウを狙ったのである。

 では、今年の新監督選びはどうか? 結論から先に言えば、昨年とは真逆の現象が起きた。今年は8球団が新監督選びを行い、すでに7球団が決定。ベンチコーチ経験者はゼロで、7人のうち4人は監督経験者だ。その中にはエンゼルスのジョー・マドン(前カブス監督)とフィリーズのジョー・ジラルディ(前ヤンキース監督)という2人の大物も含まれる。

 ベンチコーチ人気が霧消したのは、カブスのベンチコーチから転じたオリオールズのハイド監督と、レイズのベンチコーチから転じたブルージェイズのモントーヨ監督が全く新機軸を打ち出せず、チームが大きく負け越したからだろう。

 それを見た各球団のGMたちは、ベンチコーチをかなり過大評価していたことに気付き、やはり監督経験者の方がリスクは低いと考えるようになったのだ。

 ただ、二匹目のドジョウを狙う傾向は今年も変わっていない。カブスはコーチ経験が全くないESPNの人気解説者デービッド・ロスを新監督に選んだが、これは第2のアーロン・ブーンを狙ったものだ。ブーンは同局の人気解説者だったが、コーチ経験が全くないままヤンキースの監督に就任。昨年、今年と、2年連続で100超の勝ち星を挙げ、大監督への道を歩み始めた。

 今回の新監督選びでメッツだけは異色の選択をした。かつてチームの主砲だったカルロス・ベルトランを新監督に選んだのだ。主砲やエースが引退後監督になるのは日本では当たり前だが、MLBでは選手の能力と監督の能力は別物と考えられているため、そう多くない。それをあえてやったのは、チーム内のまとまりが悪いため、クラブハウスにも睨みを利かせながらリーダーシップを発揮できる監督を必要としていたからだ。

(友成那智/スポーツライター)

最終更新:11/19(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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