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議員の公金意識、低さ象徴 不透明な選挙「余剰金」

11/19(火) 11:07配信

熊本日日新聞

 熊日の調査で、熊本県内の自民党衆・参院議員4人が選挙の「余剰金」計2千万円超の使途を明らかにしていないことが分かった。全国の国会議員約270人分、計9億5千万円分の使途も分かっておらず、問題の裾野は広い。選挙資金には一定の公金が投入されている。違法行為ではないとはいえ、税金の使途を決める国会議員自身の公金意識の低さを象徴した格好だ。

 選挙は有権者にとって税金の使途に意見表明する重要な機会だ。しかし、4月の県議選、7月の参院選熊本選挙区の投票率はいずれも過去最低を更新。有権者の政治離れが深刻化している。

 そんな中、フリージャーナリストらが実施した選挙資金の余剰金に関する全国調査に触れる機会があった。「選挙は金がかかる」というイメージだが、全国的には多額の余剰金が発生し、一部の使途は不明だという。「選挙の実態を有権者に伝えていないのではないか」。そんな思いから、今回の調査を始めた。

 公選法や最高裁判決によると、政治家の活動は、「選挙運動」と政策普及や党勢拡大する「政治活動」の二つに分かれるとされる。

現場はどんぶり勘定

 ただ、熊本大法学部の伊藤洋典教授は「両者は完全には区別できない」と指摘。県選出の元参院議員で弁護士の松野信夫氏も「政治活動では選挙で勝つための実績を残せるかが大事。政治で扱う金の半分以上は選挙に使っていた」と明かす。

 政治活動と地続きになっている選挙運動を追っていくと、「現場はどんぶり勘定」(日大の岩井奉信教授)という政治家の実態が見えてきた。

答えることに意味がない

 政党支部から選挙資金の全額を受領した現職は、熊日の取材に「余剰金は政党支部に残ったまま」と回答したが、選挙が実施された年以降の支部の政治資金収支報告書には、現職が余剰金を返却(寄付)したとの記録はなかった。公選法に基づき、選挙運動に関する全ての収入と支出を記載する選挙運動費用収支報告書にも、余剰金の使途は記載されないため、公的な報告書では現職の回答は確かめられなかった。

 別の現職も、余剰金の使途について「国民は気にしていない」「答えることに意味がない」と回答した。市民感覚とは大きく懸け離れているのではないか。

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最終更新:11/20(水) 11:32
熊本日日新聞

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