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地域で異なるインフル流行期 海外旅行での感染を避けるには

11/19(火) 12:01配信

Medical Note

今年はインフルエンザの流行が例年より早く始まっています。この病気は飛沫感染で流行が拡大します。患者のせきやくしゃみで飛散するウイルスを吸い込んだり、机などに付着したウイルスを手で鼻や口に運んだりして感染が起こります。海外旅行中は移動の際に人ごみに入ることが多いので、飛沫感染をおこすリスクが高くなります。では、海外の国々ではいつインフルエンザが流行しているのでしょうか。今回は海外旅行中のインフルエンザ予防法について紹介します。【東京医科大学病院渡航者医療センター部長・濱田篤郎/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇東南アジアでかかるケースが多い

先日、国立国際医療研究センターが海外渡航中にインフルエンザにかかった患者56例の分析結果を公表しました(感染症学雑誌 2019. 93:132)。2012年4月から2016年3月まで同センターを受診した患者さんの報告で、このうち約8割の44例が東南アジア滞在中にインフルエンザに感染していました。感染した時期には「1~3月」と「6~8月」の2つのピークがありました。

この2つのピークは東南アジアでインフルエンザが流行する時期と一致しています。1~3月は北半球で流行がおきる時期で、これが東南アジアに及んで起きた流行と考えられます。では、6~8月は南半球の流行が波及したのかというと、そうではありません。実は、現代のように航空機による旅行が盛んになる以前、東南アジアの流行は6~8月だけでした。

◇熱帯や亜熱帯では雨期に流行が起こる

なぜ6~8月なのでしょうか。東南アジアなど熱帯や亜熱帯では、雨期と乾期の2つの季節があります。それを聞くと、多くの方は「6~8月が乾期だから」と思われるでしょうが、それは間違いで、東南アジアの多くの国は6~8月が雨期なのです。東南アジアに限らず、熱帯や亜熱帯の国では雨期にインフルエンザの流行が起こります。

日本でインフルエンザが流行する冬は乾燥しているのに、なぜ、熱帯や亜熱帯では雨期に流行するのでしょうか。日本だけでなく温帯の国々で冬にインフルエンザが流行する大きな原因は寒いからです。寒いと家の中で過ごす時間が長くなり、人と人の距離が接近します。その結果、インフルエンザのように飛沫感染する病気が増えてくるのです。乾燥もある程度は関与しますが、それが主な原因ではありません。

それでは、雨期と乾期でどちらが家の中で過ごす時間が長くなるでしょう。それはもちろん雨期です。こうした理由で、熱帯や亜熱帯では雨期にインフルエンザが流行し、それが東南アジアなら6~8月になるのです。

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最終更新:11/19(火) 12:01
Medical Note

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