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悲願の孫請け脱却も、ゼネコンからの直接受注リスクを軽視し倒産

11/19(火) 8:49配信

ニュースイッチ

JNS、サブコンの庇護なくなり資金繰り悪化

 ちまたでは“下請けいじめ”や“孫請けいじめ”といった言葉が聞かれ、下請けや孫請けという言葉は少しネガティブな印象がある。また下請け・孫請けからの脱却を経営課題として掲げる企業は少なくない。

工期遅れが引き金、老舗ゼネコン下請けの悲劇

 JNSも、この脱却を目指す企業の一つだった。2001年6月に設立。06年6月には建設業許可を取得し、その後は電気工事や給排水工事などを手がけていた。

 かつてはゼネコンがサブコンに依頼した案件の下請け業者、つまり孫請け業者として受注を得ていたが、年商4億円程度で伸び悩んでいた。

 このため15年頃より、元請けであるゼネコンから直接受注する形にシフトすることで、受注単価の引き上げにより業績改善を図るという経営体制に転換。結果、19年3月期は年売上高約6億8300万円を計上し、かつての壁を打ち破る決算内容となった。

 しかし、見方によってはこれまでは受注先のサブコンに守られていたという側面は否めない。施工ミスの責任はサブコンが負うことがあるほか、下請け業者の資金不足時には資金融通するケースもある。

 自らが元請けに近づくということはそれだけの責任とリスクを負うこととなる。当社はこのことを思い知ったであろう。下請け業者を使う立場となり、ミスがあれば実質的に金銭負担を負うことがあった。

 またゼネコンから入金を受けるタイミングと下請け業者に支払いするタイミングにズレがあり、運転資金が枯渇することもあった。こうしたなか、下請けの施工ミスなどトラブルの散発が原因で、諸経費を勘案すると赤字受注の案件が増加。この資金負担を賄いきれず、19年10月25日に従業員への給与支払いも遅れる事態に陥り、同月28日に自己破産を申し立てた。

 下請け・孫請け業者は大変だという話はよく耳にするが、それでも守られる立場にあることを忘れてはいけない。その上で、自社の技術力や受注単価、立ち位置を正しく捉えることが企業経営には必要であろう。

帝国データバンク情報部

最終更新:11/19(火) 8:49
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