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トヨタ、ヴィッツを海外名のヤリスへ改名

11/19(火) 12:06配信

ニュースソクラ

世界ラリーなどでブランド力向上、4代目で海外名に統一

 トヨタ自動車は小型車「ヴィッツ」の次期モデルの名称を、海外で用いている「ヤリス」に改め、2020年2月中旬に発売すると発表した。ヴィッツは国内専用のネーミングだったが、トヨタは4代目となる次期モデルから海外名を国内でも使い、ブランドイメージを統一することにした。

 トヨタヴィッツは1999年、トヨタで最も小さなコンパクトカー「スターレット」の後継として誕生。欧州など海外では初代からヤリスを名乗ってきた。トヨタは2017年から世界ラリー選手権(WRC)にヤリスの改造車で参戦。2018年には年間5勝し、トヨタに通算4度目の総合優勝(マニュファクチャラーズタイトル)をもたらした。ヤリスの知名度は世界的に高まっており、国内でも採用に踏み切った。

 ヤリスの元をたどれば、「スターレット」「パブリカ」というトヨタを代表するエントリーモデルに遡る。いずれもファミリーカーだが、ラリーなどモータースポーツでも活躍し、若者らに人気だった。4代目のヤリスに今のところスポーツモデルの設定はないが、1.5リッターのFFにはマニュアルミッションが復活した。しかもスポーティーな6速だ。3代目ヴッィツはCVT(無段変速機)が中心で、マニュアルミッションはなかった。

 4代目のヤリスは、1.0リッター、1.5リッターともすべて3気筒エンジンとなった。3代目は1.0リッターのみ3気筒で、1.3リッター、1.5リッターは4気筒だったが、効率性を重視し新開発エンジンとなった。

 ハイブリッドモデルには、トヨタのコンパクトカーとして初めて、プリウスと同様のE-Four(電気式4WDシステム)を採用した。また、「TNGA」と呼ばれるトヨタの最新のプラットフォームをコンパクトカーとして初めて採用。

 「エンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッション、サスペンションなど、すべてをゼロベースから作り上げた」と自負する。まだ発表されていないが、「ハイブリッド車で世界最高レベルの低燃費を目指す」という。

 安全運転支援システムや駐車支援システムも充実させた。事前に駐車位置を登録すれば、白線のない駐車場でもステアリング、アクセル、ブレーキを制御する世界初のシステムを採用した。カメラと超音波センサーが周辺を監視し、万一の場合は警報とブレーキを制御し、接触回避を支援するという。

 次期ヤリスが「ハイブリッド車では世界最高レベルの低燃費」となった場合、トヨタ社内では「プリウス」と「アクア」がライバルになる。その場合、ヤリスは両車とどう棲み分けるのだろうか。

 例えば、トヨタ社内でプリウスと「カローラ」はライバルだ。プリウスは視界やスペース効率を多少犠牲にしても空気抵抗などを重視し、低燃費にこだわっている。これに対して、国内仕様のカローラは同じハイブリッドでもプリウスほど低燃費を追い求めず、プリウスを上回る視界や居住性を売りにして棲み分けている。

 トヨタはヤリスの場合、国内ではアクアがライバルとなるほか、子会社のダイハツ工業が開発・生産する「パッソ」(ダイハツブーンの姉妹車)とも競合する。パッソはヤリスよりもさらにコンパクトだが、既にダイハツの3気筒エンジンを搭載しており、次期ヤリスと類似性が高まるのは否めない。

 トヨタは競争が激しい欧州の小型車市場では、ヤリスの下にさらにコンパクトな「アイゴ」を販売している。アイゴはPSA(プジョーシトロエン)グループとの共同開発で、欧州向け小型車らしく魅力的だが、次期ヤリスと競合しないのだろうか。

 ヤリスは世界ラリー選手権の活躍などでブランド力が高まっており、トヨタが今後、世界的に小型車はヤリスに注力するのは間違いない。その場合、アクアやパッソ、アイゴはどうなるのか。次期ヤリスの登場で、トヨタの今後の小型車戦略が注目される。

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

最終更新:11/19(火) 12:06
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