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“害”を“財”に!技術を継承しながら「猪の国」で獣害に立ち向かう父娘 ~ふるさとWish田川市~

11/19(火) 12:00配信

九州朝日放送

毎週月曜~金曜の夕方に放送しているKBCの報道番組「シリタカ!」には、課題を乗り越えようと奮闘する福岡県民についてお伝えしている「ふるさとのチカラ」というコーナーがあります。2019年11月13日(水)のこのコーナーでは、田川市で害獣と向き合い奮闘する父娘について紹介しました。

農家を悩ませる甚大な“獣”による被害

今回の「ふるさとのチカラ」の舞台は、田川市の猪国(いのくに)。地名の通りイノシシの多いエリアのようで、地元で大豆農家をしている星野さんによると、ここ数年、イノシシやシカに作物を荒らされる被害が続いているといいます。「これだったら農業やってもね…」と星野さんはこぼします。

被害を受けているのは星野さんだけではありません。田川市では昨年、1万2000㎏の農作物が被害を受け、その被害額はおよそ260万円。深刻な問題です。そんな田川市で、農作物被害に立ち向かう父娘がいました。猟師歴30年のベテラン・市村 栄二さんと次女の舛野 雅美さんです。雅美さんは2年前に猟師資格を取り、最近では父娘二人でほぼ毎日、猟に出向いています。栄二さんの経験に基づいて猟の場所を探し、慣れた手つきで罠を仕掛けていきます。

もともと雅美さんは福岡市内で会社員などをしていたそうですが、高齢になった父の技術を継承したいと思い、猟師を継ぐことを決意。「山のことは全く初心者なので。獣道が最近やっと分かるようになってきましたけど」と、まだまだこれからと話す雅美さん。

現場に着いた二人は、ある場所に罠を仕掛けました。「セット完了!」と栄二さんの声が響きます。このあたりは「去年のイノシシ被害で全滅して、今は耕作放棄した感じ。作ってもまたイノシシにやられる、という考えではないですかね」と残念そうに話す栄二さん。耕作放棄地の増加もイノシシが山から下りてくる原因だといい、まさに悪循環に陥っている状況。「山のほうに餌が少なくなったのではないでしょうか。植林してイノシシの食べる実のなる木がないから」と、栄二さんはイノシシ側の事情についても教えてくれました。

別の場所に仕掛けていた罠を見に行くと、一匹のイノシシがかかっていました。その場所は、やはり田んぼのすぐ近く。「ワイヤーで足をひっかけ、吊り上げて喉仏からヤリを刺して」と、イノシシの仕留め方を説明してくれた雅美さん。「鉄砲で打ったら、身が傷むんです」と栄二さんも補足してくれました。つまり、“殺して終わり”ではないのです。

さらに、「慣れるものですか?」スタッフから聞かれた雅美さんは、「慣れちゃいけないかな」と一言。猟をするからこそ、命の重みも深く感じていることが伝わってきました。

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最終更新:11/19(火) 12:00
九州朝日放送

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