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なぜLINEは“失敗”したか。ヤフーの力を借りて「スーパーアプリ構想」は実現するのか

11/20(水) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ヤフー(10月1日にZホールディングスに商号変更)がLINEとの経営統合を発表した。

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ヤフーといえば、井上雅博社長時代はどっしりと動かず、安定した広告収益を稼ぎ続けるのが取り柄の会社だった。

しかし、宮坂学社長時代を経て、2018年に就任した川邊健太郎社長は、ファッション通販大手ZOZOの買収に続き、今度はメッセージアプリ大手LINEとの統合と、「拡大か死か」を体現し続けるソフトバンク流経営を、ヤフーでも実践しているようだ。

巨大プラットフォーム同士の統合となるため、重複するサービスの整理は必要だが、顔となるLINEアプリの確保と、PayPayを補完するLINEペイの存在だけで、ヤフーにとっては魅力的だろう。

問題はLINEのほうだ。はっきり言えば、こんなはずではなかったのではないか。さっそうと登場し、またたく間に国内でメッセージアプリの天下を取り、グローバル化も視野に入れていた。さまざまな関連サービスを手掛け、それこそPC時代のヤフーや、中国のWeChatを手本に、モバイルの一大プラットフォームになれる可能性があった。

しかし結果的には「日本で人気のメッセージアプリ」から脱却できなかった。

潰えたグローバル化の野望

LINEは2013年に1億登録ユーザーを達成したとき、グローバルでの人気拡大を「2011年10月に(略)大規模な機能拡充を行ったことを契機に、中東に加え、台湾、タイ、インドネシアなどの東アジア地域を中心に海外での利用者が増加」「2012年に入って以降はロシア周辺諸国、スペイン・チリ・メキシコなどのスペイン語圏まで利用が拡大」と誇示した。

また、「1億ユーザーを達成するのに要した期間は約19カ月となり、Twitterの約49カ月、Facebookの約54ヶ月と比較しても急速なペースで成長を続けています」と、先行するプラットフォームへ挑戦する野心を隠さなかった。

その後、登録ユーザーは4億人まで増えたが、2014年7~9月期の業績開示からは、より現実的な月間アクティブユーザー(MAU)が
発表
されることになった。

グローバルでは1億7000万MAU、うち日本、タイ、台湾の3カ国が約8700万MAUを占める。4億人の登録ユーザ数からは半減し、国ごとの偏りも大きいが、それでも十分に魅力的な規模である。

それから5年が経ち、いまやLINEはグローバルMAUの更新さえしなくなった。直近で確認できる数字は、2017年時点の媒体資料で「2億1700万人以上」。決算資料によれば、2019年現在の数字は、日本の8200万MAUを筆頭に、タイ、台湾、インドネシアと4カ国で合計して1億6400万MAUだ。

日本、タイ、台湾では引き続きトップシェアのメッセージアプリながら、インドネシアではFacebook傘下のWhatsAppに押されて利用者が減少しており、その他の多くの国々では忘れられた存在となった。そもそも、LINEの売上のうち、海外比率は27%にすぎない。

サービスのグローバル化は難しい。時間と手間がかかり、たとえばLINEの40倍近い時価総額を誇るFacebookであっても、日本では2600万MAUにとどまるなど、苦戦が続いている。メルカリのアメリカ進出も苦闘が続いている。

それでも、日本産のサービスとしてLINEはグローバルでの成功に最も近かっただろうし、それを成し遂げられなかったのは残念である。

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最終更新:11/20(水) 17:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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