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なぜ? 夜だけ開くミナミの精神科クリニック  くも膜下出血後遺症抱え、若者に寄り添う35歳院長

11/20(水) 11:12配信

47NEWS

 多くの観光客が行き交い、飲食店が立ち並ぶ大阪市の繁華街・ミナミ。色鮮やかなネオンが夜空を染める中、とある雑居ビルに髪を染めた若者や会社帰りのサラリーマンが次々と吸い込まれていく。職場でのストレスや不眠症といった悩みを抱く彼らが訪れるのは、夜だけ開く精神科クリニックだ。「リストカットをしてしまう」「死にたい」。患者の悩みに耳を傾けるのは、左半身にまひがある片上徹也(かたかみ・てつや)院長(35)。わざわざ夜の街で開業したのはなぜなのか。記者が訪ねてみた。

 

▽「美容室のような医院」目指して

 高級ブティック店や百貨店が立ち並ぶ心斎橋近く。「OWL(アウル)クリニック」は、雑居ビル3階にひっそりとたたずむ。ドアを開くと、中は白色を基調とした落ち着きのある雰囲気。診察室で患者が座るのは、よくある簡易な椅子ではなく、ゆったりとしたソファだ。「精神科」の入りづらいイメージをなくそうと、片上院長は気軽に立ち寄れる「美容室のような医院」を目指す。

 「仕事を休むことになっても、大丈夫ですよ」。勤め先の経営が傾き、不安で眠れず仕事でミスが続いているという男性会社員(39)に、片上院長は優しく声を掛けた。

 男性は残業も多い。「ここは夜遅くまでやっているので、仕事の後でも来られる。ありがたい」。診療が終わると、落ち着いた様子で帰っていった。

 

▽「夜の守り神に」

 診療時間は火曜を除く平日午後7~11時。「深夜営業」と聞くと、怪しげなイメージを持ってしまうが、他の一般の医療機関と同様、健康保険が使える。決して「モグリ」の診療所ではない。

 「駆け込み寺のような存在になれれば」。片上院長が開業したのは5年前。アウルは英語でフクロウを意味する。「夜の守り神になりたい」との思いを込めた。昼間働く会社員だけでなく、夜間営業の風俗店などに勤める人は生活リズムが夜型で、休みの日も昼間の受診は難しいからだ。

 若者が集まるミナミを選んだのは、同世代の悩みを知りたかったから。1日平均15人ほどを診療し、20~30代を中心にこれまで約4500人の悩みに寄り添ってきた。片上院長が英語で診療ができることから、最近は外国人の患者も来るようになったという。

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最終更新:11/20(水) 12:00
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