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アインシュタインの手紙や論文38件競売、数百万円の値打ちも

11/20(水) 20:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

相対性理論などで知られるドイツ出身のユダヤ系物理学者、アルバート・アインシュタインが生前に書いた手紙や物理に関する論文など、38件が10月末から11月上旬にかけて、競売大手のクリスティーズを通じて出品された。

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第1次、第2次と2つの世界大戦でナチスに翻弄された半生と苦悩、ユダヤ教と平和に対する考え方、知人の訃報に際しての弔意などをつづった内容で、おおむねドイツ語で書かれている。アインシュタインの博学さとともに人物像が浮かび上がる一級の資料だ。

軒並み1万ドル超え

想定されていた落札額は数千ドルから数万ドルで、案件ごとに異なるが、実際の落札額は想定を上回るものが多く、1万ドルを超える応札も相次いだ。

特に相対性理論などに関する論考は高額に及び、例えば「アインシュタイン、重力による光の屈折を初めて予見」(Einstein first predictsthe bending of light by gravity)と題したものは、1911年の論文の抜き刷りに1万6250ドルの値が付いた。

アラブとユダヤの融和を説く

こうした学術的価値のある資料もさることながら、出品されているものの大半が、アインシュタインの思想や人柄がうかがえる手紙だ。特にアインシュタインの生きた時代背景から、ユダヤ教やナチス・ドイツに関するものが目立つ。

「シオニズムに関するアインシュタインの発展的ビジョン」(Einstein's evolvingvision of Zionism)と題されたものは、 1万3750ドルで落札された1枚の手紙。

ユダヤ人哲学者フーゴ・ベルクマンに宛てたもので、イスラエル建国以前の1930年6月、ユダヤ人による国家樹立を目指す「シオニズム」をめぐる自説を述べている。出品の説明文によると、アインシュタインはその手紙で、

「アラブ人との直接的な協力だけが、理にかなった安全な共存をつくり出す(Only direct cooperation with the Arabs can create a worthy and secure existence.)」

とユダヤ人とアラブ人の融和の必要性を説き、

「もしユダヤ人がこれを認識しなければ、アラブ地域におけるユダヤ人の地位は徐々に、完全に維持できなくなるだろう(If the Jews do not recognize this, the entire Jewish position in the Arab region will gradually become completely untenable.)」

と指摘していた。その数年前から起こっていたユダヤとアラブの暴力的衝突を踏まえ、シオニズムの在り方に対する見解を示したとされる。

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最終更新:11/21(木) 5:01
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