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アインシュタインの手紙や論文38件競売、数百万円の値打ちも

2019/11/20(水) 20:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ナチス台頭を予期できず

一方で、その2年後の1932年11月につづった別の知人への手紙は、「ナチズムの台頭を見通せなかった」(Failing to foresee the rise of Nazism)とのタイトルで出品されている。

アインシュタインは、1932年にあったアメリカ大統領選とドイツの国会選挙に触れ、

「選挙が終わり、何も大きな変化は起きていないようだ。少なくとも現状として、真のファシズムは蔓延しないと書き留めておくことができよう(The elections are over and nothing much seems to have changed. Over here we can at least record as progress that it seems as though no real fascism will prevail. )」

と記した。

この年の米大統領選は、後にマンハッタン計画を推し進めることとなるフランクリン・ルーズベルトが勝利 。一方のドイツの選挙ではナチスの国家社会主義ドイツ労働者党が躍進して第1党となった。

こうした史実を背景に、クリスティーズのウェブサイトでは、「アインシュタインの『何も大した変化はない』との見方は、明らかな政治的洞察力に欠ける」(Einstein's observation that 'nothing much seems to have changed' shows are markable lack of political astuteness)との指摘がなされている。

この手紙を出した時、アインシュタインにとってはドイツで過ごす最後の数週間だった。その後、ナチスによる迫害を恐れてアメリカへ移住、ドイツへ戻ることはなかった。アインシュタインがユダヤ教やファシズムに言及した手紙は、これまでにも見つかっており、たびたび競りにかけられてきた。それらの文中では、ナチスを率いたアドルフ・ヒトラーへの批判、嫌悪感をあらわにしていた。

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最終更新:2019/11/21(木) 5:01
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