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農業分野でも障がい者に自信や生きがいを…農福連携圃場で酒米を収穫

11/20(水) 20:05配信

日本食糧新聞

雨水をためた谷地の池や沼から水を引き込む谷津田といわれる埼玉県比企丘陵の水田で約1500年続いてきた稲作に、医薬品臨床開発受託企業EPSホールディングスで障がい者を雇用し特例子会社認定を受けたイーピービズの「HATARAKU LAB.」(ハタラクラボ)が挑んだ。

将来の6次産業化を視野に、立正大学谷津田イノベーション研究会、農地所有適格法人のヘリテイジファーム、埼玉福興、農事組合法人の小原営農の助けを得て、埼玉県熊谷市小江川の日向沼の水を利用した谷津田「農福連携圃場」で農薬を使わずに今夏、酒米を育てた。たわわに実った稲は10日、関係者十数人が手作業で刈り取った。

刈り取ったのは、稲の育ち具合、土壌成分の栄養分との関係、引き込んだ水がもたらす微生物の量、微生物の窒素を運ぶ働きなどを立正大学の修士生が九つの区画に分けて調査・研究している農福連携圃場(農地)の水を抜いた水田の一枚。農業機械を入れられる広さがないための人海戦術となった。

イーピービズの南丈裕社長は「谷津田の稲作は田植えから今年から参加させていただいた。きょうも稲刈りさせていただいて、これが日本酒になればと、権田酒造さんに先日、ご相談に行った。日本酒になったらぜひ乾杯をさせていただけたらと思っている。今年だけではなく今後も長く続けさせていただけたらと思っている」と関係者にあいさつし、自らも鎌を手にした。

イーピービズは、ハタラクラボで現在42人の障がい者を雇用している。社会からの要請がある障がい者雇用で利益が創出できる事業化の取組みを親会社EPSHDのグループ会社などへのリラクゼーションルームの提供、オフィス業務サポートなどで進めてきた。

近年は、障がい者らが農業分野で活躍することを通じ自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組みとして農福連携が注目されていることから、農業分野にも乗り出し、熊谷市近郊の露地での玉ネギ、白菜の栽培、ハウスでの育苗、利根川を挟んで隣接する群馬県太田市近郊でのオリーブ栽培を進めてきた。

日向沼の谷津田「農福連携圃場」での酒米づくりもその一環。熊谷市の老舗酒蔵、権田酒造にこの酒米を原料とした日本酒造りの協力を求めているという。

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最終更新:11/20(水) 20:05
日本食糧新聞

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