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砕氷艦「しらせ」南極へ 搭載する極地仕様の乗りものとは ヘリや雪上車…犬ぞりは?

11/20(水) 6:45配信

乗りものニュース

文部科学省が作った「軍艦」

 南極大陸は、文字通り地球の南の極地にある大陸ですが、日本は昭和基地とドームふじ基地(夏季のみ有人)のほか、無人基地2か所を開設しています。日中の平均気温は夏季の1月でも摂氏-0.7度、冬季の8月は摂氏-19.4度です。これはあくまで平均気温ですので、日中最高気温は1月でも摂氏10度、9月の最低気温は摂氏-45度以下まで下がります。かつて、元宇宙飛行士の毛利 衛さんは昭和基地で「宇宙よりも遠い場所」と表現しましたが、文字どおり遠く、そして生物が生きるのも困難な場所です。そのようなところに持ち込まれる「乗りもの」も、特別仕様になっています。

【画像】「しらせ」で見かけた意外な姿の「タロ」 ほか艦内や出航の様子など

 2019年11月12日(火)、第61次南極地域観測協力任務に就く砕氷艦「しらせ」の出国行事が、東京の晴海ふ頭で行われました。南極地域観測隊のため、様々な物資が「しらせ」に積み込まれましたが、そのなかには極地で働く乗りものも含まれます。今回は第61次協力任務に関わる乗りものに目を向けてみようと思います。

 まずは砕氷艦「しらせ」です。文部科学省の予算で建造され、2009(平成21)年5月20日に就役しました。海上自衛隊横須賀地方隊に所属し、艦尾には自衛艦旗(軍艦旗)を掲げた、国際法上もれっきとした軍艦という変わり種艦艇です。海上自衛隊の南極地域観測協力は、1965(昭和40)年に「輸送は防衛庁(当時)が担当する」と決められて、同年11月20日に出港した第7次観測隊から始まっています。南極への運航費用は文部科学省から出ています。

 今回の任務は11月12日に東京晴海ふ頭を出港し、オーストラリアのフリーマントルに11月27日入港、南極観測隊を乗艦させて12月2日出港し、翌年2月6日に昭和基地へ接岸、交代で帰国する観測隊を乗艦させて出発し、オーストラリアのシドニーに3月19日入港、観測隊を降ろし4月10日に帰国する予定です。

南極で働く「乗りもの」たち

 積み込まれている最も大きな乗りものはヘリコプターで、CH101を2機搭載しています。イギリスのアグスタウェストランド AW101汎用ヘリコプターを、「しらせ」搭載用にバッテリー容量を増やすなど極寒冷地仕様へ改造したもので、格納庫に収まるようローターと尾部を折りたたむことができます。約4tの貨物を搭載することができ、物資や人員輸送に不可欠な乗りものです。消耗が激しいとのことで、ローターブレード(回転翼)の予備も積み込まれているそうです。3機購入されましたが、2017年8月17日に訓練中の事故で1機失われています。

 甲板下の貨物室には雪上車が2台、積み込まれています。大きい雪上車が排雪ブレードを付けた、ドイツのケースボーラー・ゲレンデファールツォイグ社製「ピステンブーリーPB300ポーラー 南極仕様車」です。重さ約11t。後部キャビンに人員を載せるほか、そりの牽引もできます。内陸部でも使用できる走破性や航続性能を持っているので、昭和基地から1000km離れた高度3810mにあるドームふじ基地へ、物資や人員を輸送するために使われます。

 小型雪上車は、日本唯一の雪上車メーカーである大原鉄工所製のSM40Sです。もっとも多く南極に持ち込まれた雪上車で、おもに昭和基地周辺で使われています。

 南極大陸に雪上車は現在、約30台あるそうですが、メンテナンスするのも大変で、実際に使われているのは約15台とか。今回運ばれる物資のなかには、現地の雪上車用と思われる「装軌車-8 クローラーダンプエンジン」と表記されたエンジンもありました。

 スノーモービルは6台、ヤマハ「RS Viking Professional」が4台とカナダBRP「TUNDRA」が2台です。これらは市販品のままで、特別な改造はされていないようです。

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最終更新:11/20(水) 13:53
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