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「大学に籠城するにはガバナンスが必要」指導者不在がマイナスに? 長期化する香港デモの実像

2019/11/20(水) 16:02配信

AbemaTIMES

 抗議活動が続く香港では、警察とデモ隊の主戦場が大学のキャンパスへと移行、籠城する学生たちと包囲する警察との間で、激しい衝突が起きている。19日夜のAbemaTV『AbemaPrime』では、香港中文大学に在籍しており、衝突を目の当たりにしたという石井大智さん(23)に現在の様子を聞いた。

【映像】“籠城の現場“現地大学で学ぶ日本人研究者に聞く

 石井さんは学生たちをめぐる状況について、「香港中文大学の学生とそれ以外が対立し、方針が合わなくなってきた。対立軸がたくさんあるので説明が難しいが、中文大学以外の学生が記者会見を開き、“道路を1本空けるから、今度行われる区議会選挙は絶対に実施しろ”という条件闘争を始めた。一方、中文大学の学生会はそういう話は聞いていないと反感を強め、溝が生まれてしまっていた」と説明する。

 「中文大学の学生たちが撤退を決めたので過激な抗議者だけが残ったが、それでは結果として立ち向かうことができず、全員が退散した、というのが先週金曜日の夜の状況だ。香港の大学の成り立ちから考えて、香港人は大学が公有地だという考え方を持っていないため、私有地に警察が入るのが許せないと感じる人が多い。法律上、私有地に入るには様々な許可や令状、そうでなければすごく差し迫った理由が必要だが、それ無しに入ってきているとの考えからの行動だが、やはり路上と大学構内では全く違う。道でデモをする場合は“Be water=水になれ”という掛け声もある通り、逃げればどうということはない。しかし大学で籠城するということはテリトリーを持ち続けるということだ。そのためにはガバナンスが必要になる。そこでリーダーがいないということがマイナスに働いたということも考えられる」。

 また、今回の衝突の舞台となった香港中文大学と香港理工大学では、やや状況に違いも見られるようだ。

 「抗議者側の暴力よりも、警察の暴力の方に目が行くので、学生としては警察に批判的だ。特に中文大学の場合、かなり学生の暴力も目立っていたが、理工大学の場合は警察の暴力がメディアでも目立っていたので、現在は警察を責める姿勢で、あまり抗議者を責める声は聞かなくなった。一方、私が政府関係者や建制派に近い人に聞き取りをしている限り、選挙は実施される可能性が高いとみている。ただ、建制派は確実にかなり厳しい状況に置かれている。中文大学でデモが起きた時、警察の攻撃が一時弱まり、むしろ抗議者による車を燃やすなどの暴力的な行動が目立って、民主派にマイナスに働いていた。しかし理工大学についてはメディアが明らかにプラスに働く報じ方をしていた。だから今週の1週間でプラスマイナスゼロになったと思うし、どちらかといえば民主派には極めて有利な展開になったのかと思う」。

 一方、警察に対しては、現場よりも上層部への批判が多いのだという。「“上から指示されているから仕方なくやっている”という考え方をしているし、香港人が警察を責める時は、現場よりも上層部と黒社会との繋がりを指摘している」。

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最終更新:2019/11/20(水) 16:41
AbemaTIMES

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