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村田喜代子「百年佳約」 日本と結婚した朝鮮の魂 【あの名作その時代シリーズ】

11/21(木) 18:00配信 有料

西日本新聞

渡来の陶工たちに今も感謝を惜しまない有田の通りには、窯の古いレンガを固めて作った「トンバイ塀」など歴史を感じさせる風景が多く残る

 「あの名作その時代」は、九州を舞台とした作品、または九州人が書いた著作で、次代に残すべき100冊を選び、著者像や時代背景、今日的な意味を考えながら紹介するシリーズです。西日本新聞で「九州の100冊」(2006~08年)として連載したもので、この記事は08年2月17日付のものです。

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 白磁に、呉須(ごす)が深い藍(あい)をたたえる下絵、筆の妙が織りなす鮮やかな色絵-。

 佐賀県有田町を中心とする伝統工芸品の有田焼。古くは「伊万里」と呼ばれた、この真っ白い磁器は豊臣秀吉の朝鮮出兵(一五九二-九八)の際、朝鮮半島から連行されてきた陶工が有田・泉山で陶石を見つけ、本邦で初めて焼き始めたと言われる。

 伊万里支局へ一年九カ月前に赴任して以来、連日のように有田焼を取材する。器や花瓶が、夢にまで出るようになった。次第に約四百年前の朝鮮人陶工のことも分かった気でいた。しかし「百年佳約」を読んで穴に入りたくなった。陶工たちの異国での思いや、一方で生きるための図太さをまざまざと示され、目の前に陶工たちが現れたような気さえして、私の浅い理解を見透かされた気がしたからだ。

 話の主人公は朝鮮人陶工集団を率いた老女、百婆。死後、子孫繁栄を祈る一族の守り神になったところから物語が始まる。もう一人の主役は新頭領になった息子十蔵。村田さんの想像を交えて描かれるテーマは人間の生の象徴の一つ「結婚」である。 本文:2,808文字 写真:1枚

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西日本新聞

最終更新:11/21(木) 18:00
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