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パノラマパナマタウン ずっとのれる、踊れるを武器に仕上がったミニアルバム。その意図を4人に訊く。

11/21(木) 17:30配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

『GINGAKEI』は、1曲目の「Dive to Mars」からいきなりパワフルなビートで始まる。全7曲のミニアルバムながら、すべての曲が活き活きとしたグルーヴに貫かれ、岩渕のラップの切れと説得力が増している。つまりこれは、バンドが絶好調の証拠。真っ直ぐに進んできたパノラマパナマタウンが、ついに宇宙に進出する第一歩を踏み出した。
今回、バラードは一切なし。理屈より、直感が突き動かしたアルバム制作について、メンバー4人に聞いてみた。

【画像】パノラマパナマタウン ミニアルバム『GINGAKEI』についてメンバー4人に訊く。

取材・文 / 平山雄一 撮影 / 森崎純子

トラックメイク的な感じで曲を作りたいなというのと、踊らせたいなという意図があって(岩渕)
ーー 1曲ぐらいバラードが入ってるのかなと思ってたら、最後まで飛ばしまくり!

浪越 明るく素朴に楽しめるミニアルバムになりました。「踊れる」「楽しめる」というところは意識したっすね。

岩渕 バラードは入れないようにというか、全編を通してひとつのリズムで踊り続けられる作品にしようっていうテーマはありました。

ーー それってDJっぽい発想から?

タノ 作っててトラックメイクに近い感じが多かったんで、歌1本でじっくりいこうっていうのは、最初からなかったです。 

ーー タノくんの曲が多いのは、トラックから作っていったことと関係があるの?

浪越 バンドがそういうモードだったというか。

岩渕 トラックメイク的な感じで曲を作りたいなというのと、踊らせたいなという意図があって。タノは明るい曲を書くので、結果、タノの曲が多くなりました。

タノ まずトラックメイクをして、それをバンドでどうアレンジしていくか。今回は元のアイデアを僕が何かしら持って行くっていうことが多かったです。

ーー 「楽しく踊り続けられる」っていうテーマが生まれたのは、最近のパノラマパナマタウンのライブ・スタイルから来ているのかな?

岩渕 そうですね、楽しいってのがいちばんだなっていう。ちょっと前作は、考えすぎた感がある。 

ーー もともと岩渕くんは、考えるのが好きじゃん(笑)。

岩渕 そうなんですよ、考えるの、めっちゃ好きなんですよね(笑)。でも今回は、考えずに楽しめるものを作りたかった。ライブがそういうふうになってきてるので。

ーー それでバラードを入れなかった?

岩渕 テンポの落ちた曲も、すげえやりたいことではあるんですけど、このアルバムでは違うかなって思って。

浪越 テンポ的な話をすると、全体的なBPMの平均値は前よりは下がってて。バラードみたいにすごく遅いのはないんですけど、BPMの平均値を下げるっていうのは意識したように思います。リズムはタノが作るんですけど、おそらくタノ自身がそういう踊り方が好きというか、そういう音楽を聴いていて。そこに僕がどうギターで絡むか、どうラップしていくかっていう。なので、全体にリズムメインで作っていきましたね。

ーー 以前にはなかった作り方だよね。

タノ そうですね、自分らからしたら新しい作り方です。

岩渕 ギターのリフから作ることが多かったんで、リズムからっていうのは真逆。 

ーー タノくんは、よく踊りに行ったりするの?

タノ うーん、家でよく踊ってます(笑)。

自分らは言葉数が多いバンドなんで、それをうまく生かすなら、ハネたリズムにしてそこに言葉がのっかっていくのがいちばん気持ちいい(タノ)
ーー (笑)。

タノ やっぱ自分らの武器はなんだって考えたときに、ラップだしギターのリフで、ライブのスタイルも聴かすっていうよりは、ずっとのれる、踊れるっていうところが武器になるのかなって思って。のっぺりしたリズムだと、どうしても言葉がその数しかハマらない。自分らは言葉数が多いバンドなんで、それをうまく生かすなら、ハネたリズムにしてそこに言葉がのっかっていくのがいちばん気持ちいい。なので、そういう曲が今回のミニアルバムに多くなったってことですかね。次にやったらまた全然違うものになるかもしれないですけど、今回のミニアルバムは、今の自分らがちゃんと出せた感じです。

岩渕 それでも、言葉はちゃんと届けたいな、聴かせたいなって意識はすげえあって。前作までは、テンポの速い曲が多かった。

ーー そうとう早口っぽかったよね。

岩渕 早口だけになっちゃって、ラップをちゃんとやれてなかったこともあったんで、自分ら的には楽しいけど、それがお客さんに届いてるかっていったら、届いてなかったかなと。

ーー 届いてないって、ライブの中に実感するの?

岩渕 そうですね、ライブで言葉があんまり届いてないなって感じてた。家に帰って歌詞を読んだら面白いこと言ってるんだけど、その場で伝わってるかっていったら、なかなか伝わらないところもあって。だから言葉を届けるって意識はすごくありました。ラップの曲のテンポを落とすことで、発声もだいぶ変わったんです。

ーー 前って、リズムに対してボーカルがつっこんでたのが、ちゃんとリズムの後ろにくるようになった。

浪越 バンド全体のリズムに対しての意識がかなり強くなったんで、ラップにしても譜割りをすごく意識して一緒に作っていった。

岩渕 ラップの譜割りにめっちゃ時間をかけた。言いたいことを置いといて、語感を大事にするというか。適当な言葉でハメてみて、エンジャラワッチャラッチャラッパッ、バンバンジャラッタッタッみたいなのを作って、そこに“生活感失った”みたいな言葉をハメていく。で、語感と意味が両方成立するような言葉を選んでいくって感じでしたね。

今回は意味より語感の気持ちいい言葉から、歌詞を逆算して作ってくみたいな感じが僕にはあったっすね(岩渕)
ーー これまでは詞を先に作ることも多かったと思うけど?

岩渕 それでいうと、今回は詞を先に書くっていう作り方を一個もやってない。ギターのリフから作る曲は、まず歌詞が先にあって、その後に言いたいことをメロにしていってたんですけど、今回は意味より語感の気持ちいい言葉から、歌詞を逆算して作ってくみたいな感じが僕にはあったっすね。

ーー 1曲目の「Dive to Mars」から、ダンスのグルーヴが前面に出てる。

岩渕 「Dive to Mars」が出来たのは、いちばん最後でした。

ーー アルバム全体が見えてから、1曲目を作ったの?

岩渕 リズムを中心に作っていくってテーマで、「ずっとマイペース」だとか「HEAT ADDICTION~灼熱地獄~」を作っていった。で、決定打になる曲、このアルバムの顔となる曲がまだできてないなと思ったときに、浪越が持ってきたのが「Dive to Mars」だったんです。

浪越 アルバムの他の曲がどんどん出来上がっていく中で、まだ中心となる曲がないねって話になって。これ1曲で自分たちの魅力を全部出せる曲を作ろうってなったときに、今回、僕のギターがあんまり鳴ってないっていうことに気が付いた。なので、もっとギターがメインのリフになりつつ、アルバムのコンセプトを表わせる曲を作ろうってことになった。で、ワンパターンのリズムで展開していくってことを守りたかったので、リズムから打ち込んで、いつもだったらそこにタノがギターやシンセを入れたりするんですけど、今回は僕がギターを自分で入れた。よりロックな感じがありつつ、同じリズムでダンスができるっていう曲を目指して、しかもサビもガツンとガッツのあるものにしたいねって。

1曲をひとつのリフで貫くって最初に思ってたことができました(浪越)
ーー そういう意味で、自分の中で新しい発見はあったの?

浪越 発見はいろいろありましたね。メインのギターのリフがあって、それでずっと進んでいくんですけど、サビでも裏で同じリフが鳴ってて、リズムが継続される。1曲をひとつのリフで貫くって最初に思ってたことができました。しかもこの曲の歌がツインボーカル気味というか、岩渕がラップをして、僕がメロディーを歌うパートがあったり。それも新しいなと思って。それこそ、“MCの数”が増えるというか。

ーー だったら、メンバーみんなで歌ったりラップしたり、“4MC”になればいいのに(笑)。

浪越 (笑)あと、オーケストラヒットの音を入れてるんですよ。僕のギターのリフ自体も、70年代や80年代の、ちょっとオールドな感じがあって。それをオーケストラヒットと合わせて、ブラッシュアップできたと思う。ちゃんと自分の中で納得のいくルーツがあるものを、新しいサウンドにできたなと思ってます。

ーー その作り方は、80年代にRun-DMCがエアロスミスの「Walk This Way」をカバーしたのに似てる。

 

浪越 実は「Walk This Way」がいちばん好きなんです。あれを新しくしたいって、ずっと思い続けてて。

ーー それは感じられたよ(笑)。面白いアプローチだね。

浪越 いちばん好きな曲ですね。ギターも立ってるし、ラップもあって。

タノ ビースティ・ボーイズもいいよね。

浪越 あのテンポとビート感でラップするのがいいなと思ってた。

ーー あのテンポだと、言葉が重く聴こえてカッコいいんだよね。

浪越 そうですね。言葉の重さに対して、軽くいっちゃうよりも、あれぐらい溜めて聴かせたほうが、ちゃんと言葉が届くなってすげえ思ってて。

ーー その一方で、「Chopstick Bad!!!」って曲は正反対。軽い言葉で突っ込んでいく(笑)。

タノ 正反対です(笑)。これは「Dive to Mars」と同じ時期に作ってて。

ーー 両極端でいこうみたいな感じだったの?

タノ どっちもが「Walk This Way」だったりビースティだったりする。アルバムの他の曲がハイファイな感じで、バンドと遠いイメージだった。ちょっときれいすぎるって感じてたので、もっと汚れた感じの曲をやりたいなって思って。「Chopstick Bad!!!」は、バンドサウンドからいちばん遠いものにしようと思ったんです。結果、僕と浪越から、極端に違う曲が出てきた。

ーー 「Chopstick Bad!!!」ってタイトルからして、はちゃめちゃだよ(笑)。

岩渕 英語としてはめちゃめちゃですね(笑)。

ーー 東南アジアの片言英語みたいな感じ(笑)。 

岩渕 「箸、悪い!」みたいな(笑)。でも、それがなんか直感的でいいなって。

ーー しかもその言葉で、メンバーの気持ちが揃っちゃうのが面白い。

浪越 4人ですげえ話しながら、同じ方向を向けてる。いろんな色を出し合いながら、同じ方向を向けてるっていうのは、バンドとして今までになかったムードですね。今までだったら、なんとなく作ったものでアルバムを構成するっていうことが多かったし、タイトルもコンセプトも後から出てくることが多かったけど、今回はコンセプトも早かったし、『GINGAKEI』っていうアルバムタイトルが出たのも早かった。そういうものを作ろうっていうのが意識化されてたんで、ある意味、レコーディングしてて楽でした。

タノ 制作中にアルバムタイトルが出てきたのは、今回が初めてだったんで、すごくやりやすかったです。『GINGAKEI』って言葉に引っ張られて、サウンドも曲も出来ていった。

ーー 『GINGAKEI』って言葉から、何をイメージしたの?

浪越 僕はサッカーのレアルマドリードってチーム。

ーー 銀河系軍団だ!

浪越 そうです。スーパースター揃いの何でもありで、メンバーそれぞれに飛び抜けてるんだけど、ひとつのチームだっていう解釈で、僕は。

岩渕 そこから曲が作れるの?(笑)。

ーー (笑)田村くんはどう思った?

田村 「まあ、いいかな」って思いました(笑)。

絶対、アルファベットで大文字で『GINGAKEI』っていうのが、頭の中にはっきりあって(岩渕)

ーー 岩渕くんに確信持って、「俺、『GINGAKEI』って言葉が気になってしょうがねえんだけど」って言われたら、逆らえないよな(笑)。

浪越 そんな感じでした(笑)。

岩渕 しかも絶対、アルファベットで大文字で『GINGAKEI』っていうのが、頭の中にはっきりあって。

タノ 「GINGAKEI」って曲は最後に作ったんですけど、作ってたときに歌を入れてもらうために、岩渕を家に呼んだ。そのとき、僕が付けてた仮タイトルが「月まで」だったから、その曲が「GINGAKEI」になったんで感動しましたね。

今回はお酒を持って楽しめるような雰囲気、そういう楽しみ方もできるライブになると思います(岩渕)
ーー ライブのことを考えながら、レコーディングしてたの?

浪越 どうだったかな? 今回、いちばん考えてないかもしれないな。このBPMでのらせたい、踊らせたいっていう気持ちはすげえあったんですけど、ライブでの音の再現に関しては、あとから考えてった感じですね。ただ、ライブの光景は考えてました。これをライブでやったらどうなるかとか、この感じでのってるお客さんが見たいとか。

岩渕 そうだね、新しい景色が見たいというか。前は、オーってやって、オーって返ってくるライブが多かった。それも僕らの味ではあると思うんですけど、そればっかりっていう感じでライブが終わっちゃうことが多かった。でも今回はお酒を持って楽しめるような雰囲気、そういう楽しみ方もできるライブになると思います。自分だけのダンスが踊れるというか、それぞれによって楽しみ方が変わるような感じのライブにしていきたいなっていう思いがあって、ツアーが楽しみですね。

「このアルバムに、NASAは関与していません!」(田村)
ーー 最後に、このアルバムをメンバーひとりひとりが短く語ってください!

浪越 俺からいきます。「直感で感じてくれ!」。

タノ 「ワンルームがGINGAKEI!」。

ーー いいね。ケツメイシっぽいな(笑)。

タノ 僕のルーツです(笑)。

岩渕 最後は僕が締めます。

ーー オッケー! じゃ、田村くん。

田村 「このアルバムに、NASAは関与していません!」。

ーー (笑)関与していませんって。

浪越 まさに起承転結の“転”やなあ。

岩渕 締めるの、むずっ(笑)。

ーー 「直感で感じてくれ」→「ワンルームがGINGAKEIに」→「NASAは関与していません!」と来て、さあ、岩渕くん、どう締める?

岩渕 「Let’s Dive to PPT!」。

タノ よう、それでしめようと思ったな(笑)。

田村 全然しまらん(笑)。

浪越 ここまでトントンって来てたのに(笑)。

ーー 大丈夫、締まったと思います(笑)。ありがとうございました。

全員 ありがとうございました!

リリース情報

パノラマパナマタウン
『GINGAKEI』
2019年11月13日発売
AZCS-1087 1,800円+税

収録曲
01. Dive to Mars
02. 目立ちたくないMIND
03. ずっとマイペース
04. Chopstick Bad!!!
05. HEAT ADDICTION ~灼熱中毒~
06. エイリアン
07. GINGAKEI

ライブ情報
パノラマパナマタウン 「銀河探索TOUR 2019-2020」

<2019年>
11月15日(金)名古屋SPADE BOX 
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト : 2
11月16日(土) 高松TOONICE 
開場 17:30 / 開演 18:00
ゲスト : 2
11月30日(土) 広島 CAVE-BE 
開場 17:30 / 開演 18:00
ゲスト : MOSHIMO
12月1日(日) 福岡 DRUM SON
開場 17:30 / 開演 18:00
ゲスト : MOSHIMO
12月6日(金) 金沢vanvanV4
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト : ニガミ17才
12月13日(金) 札幌SOUND CRUE
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト : マイアミパーティ
12月15日(日) 仙台LIVE HOUSE enn 2 nd
開場 17:30 / 開演 18:00
ゲスト : ニガミ17才

<2020年>
1月13日(月・祝) 大阪BIGCAT
開場 17:15 / 開演 18:00
※ワンマン公演
1月19日(日) 恵比寿LIQUIDROOM
開場 17:15 / 開演18:00
※ワンマン公演

パノラマパナマタウン
福岡、広島、大阪、神戸と、それぞれ出身の異なる4人が、神戸大学の軽音楽部で集まり、結成された4ピースオルタナティヴロックバン ド。 2014年冬に結成の後、2015年には、ロッキング・オンが主催する「RO69JACK」でグランプリを獲得し、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」へ初出演。「バンドで食っていく」ことをメンバー内で意思確認し、一丸となって臨んだ「MUSICA」「A- Sketch」「SPACE SHOWER TV」「HIP LAND MUSIC」が「MASH A&R」として主催する4社合同オーディションでグランプリを獲得。 2017年10月、新曲「ラプチャー」が西尾維新原作のテレビアニメ『十二大戦』のオープニングテーマ曲にインディーズアーティスト ながら大抜擢。2018年1月17日にメジャーデビュー作品となるミニアルバム『PANORAMADDICTION』をリリースし、 全国12ヶ所での対バンツアーと東京・神戸でのワンマンライブを大成功に収めた。2018年6月、Digital Single「$UJI」をリリース。10月には自主企画イベント「渦:渦」を開催し、Digital Single「くだらnation」をリリース。2019年2月には4度目となるパノラマパナマタウン主催サーキットイベント「パナフェス2019」を地元神戸で開催。また初のフルアルバム『情熱とユーモア』が2月13日に発売となり、このアルバム発売を記念した全国ワンマンツアーを9箇所9公演にて開催。ファイナルは、5月18日 恵比寿LIQUIDROOMにて、大盛況で終了。この日初披露した新曲「ずっとマイペース」を即日配信し、話題になる。9月には自主企画イベント「渦:渦 vol.2」も東阪で開催し盛況のままに終了した。また、11月13日にミニアルバム『GINGAKEI』の発売と、同月15日からアルバムを引っさげてのツアー「銀河探索TOUR 2019-2020」の開催が決定!年内はゲストを迎えた2マン公演で全国をまわり、年明けには大阪BIGCAT、恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブ開催も決定している。

パノラマパナマタウン ずっとのれる、踊れるを武器に仕上がったミニアルバム。その意図を4人に訊く。は、【es】エンタメステーションへ。

最終更新:11/21(木) 17:30
M-ON!Press(エムオンプレス)

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