ここから本文です

稲垣えみ子 会社を辞めて発見した、欲のサイズ。「メシ、汁、漬物」があれば幸せ

2019/11/21(木) 12:12配信

婦人公論.jp

電子レンジをやめ、冷暖房、ホットカーペットやこたつも処分し、冷蔵庫の電源を抜いて、退社して小さな家に引っ越したことをきっかけに、テレビと洗濯機を処分して……。なぜここまでやったかというと、電化製品を手放してもなんの支障もないどころか、むしろいいことのほうが多かったんです。まず、部屋が広くなる。もちろん電気代がかからない。でも一番驚いたのは、家事が楽になったことだった。

洗濯機があった頃は、1週間に1回、まとめ洗いをしていました。時間もかかるし干すのも大変。でも毎日洗面器で手洗いするようになったら10分程度しかかからない。それに、以前は着るものは最低7セット必要でしたが、2セットですんでしまう。

掃除は箒と雑巾です。軽いし、すぐ取り出せるし、うるさくないし、嫌いだった掃除が突然大好きになりました。真っ黒の雑巾を見ると、実に達成感があって楽しい。(笑)

これまでずっと「あれがなきゃ」「これがなきゃ」という観念に囚われていたけれど、実は生活必需品なんてほとんど存在しないんですよね。化粧品もごま油だけになりました。歯磨き粉も使っていません。シャンプーやトリートメントを使わずお湯だけで髪を洗う「湯シャン」もやっています。それでも、高級化粧品や高級ヘアケア製品を使っていた頃と何の変化もない。(笑)

◆太陽は熱源、しかもタダ

食生活も激変しました。冷蔵庫をやめたけれど食生活をどう成り立たせていいかまったくわからず、冷蔵庫のなかった時代、つまりは時代劇に出てくる食事のシーンを参考にしたんです。すると、彼らの食事の基本は「メシ、汁、漬物」。これを実践することにしました。

ご飯はカセットコンロを使って鍋で炊いています。最初は、そんなことは料理上級者しかできない気がして不安でした。というのも「赤子泣いても蓋とるな」という昔からの言葉が呪いになって、うまく炊ける気がまったくしなかったから。でもやってみたら、蓋を開けても何の問題もない。今では米も水も目分量です。

汁物は味噌汁ですが、いろいろな具を入れて「小鍋」と呼んだりもしています(笑)。具は余った野菜をベランダに出しておいたものが多いですね。たとえば干しえのき茸や干し大根、干しキャベツなど。乾いてうま味がギュッと凝縮されているので出汁を使う必要もありません。

朝、玉ねぎをスライスして干しておき、夕方帰宅して、しんなりした玉ねぎに味噌と湯を注ぐだけで、絶品の味噌汁のできあがり。太陽の力で半分火が通っているから、生野菜を使うより時間も断然短縮。そう考えると、太陽はすばらしい熱源、しかもタダです!

2/4ページ

最終更新:2019/11/21(木) 14:18
婦人公論.jp

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事