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50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ

11/22(金) 11:36配信

ITmedia ビジネスオンライン

※この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。

 大企業に勤める40~50代の真面目なミドルほど、「就社」意識で就職してから数十年の間、過酷な残業や異動や転勤も厭わず、滅私奉公で働いてきたのではないでしょうか。そのことで順調に給料や職位も上がり、年金生活に入る定年まで安定的に働けると考えてきたはずです。終身雇用と年功序列を前提にした働き方ですね。

 しかし、平成不況が長引くなか、限られた管理職ポストに就くことは容易ではなく、管理職になったとしてもすぐに役職定年や定年後再雇用を迎え、かつての後輩や部下が上司となり、給与も減額されモチベーションが下がる人も少なくありません。

 政府が70歳までの雇用確保を企業に求めようとするなか、高まる人件費負担回避に向けて早期退職を勧奨する企業も増えています。そんな環境下、お荷物扱いされるくらいならいっそ早期退職しようかと考えることもあるでしょう。しかし長年会社依存でキャリアを積んできた人がいきなり転職や独立することの失敗リスクは高いと言わざるを得ません。

 50歳前後のミドル層が早期退職するとどんな現実が待っているのか。お荷物扱いされるくらいならいっそ早期退職しようかと考えることもあるでしょう。しかし長年会社依存でキャリアを積んできた人がいきなり転職や独立することの失敗リスクは高いと言わざるを得ません。

 50歳前後のミドル層が早期退職するとどんな現実が待っているのか。拙著『50歳からの逆転キャリア戦略 「定年=リタリア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方』(2019年11月19日発行、PHP研究所)をもとに、辞めてはいけない4つのタイプを解説しましょう。

その1、やりたいことがない人

 50代のバブル入社世代は、空前の売り手市場のなか複数の内定先から深く考えることなく就職先を決めた人もいることでしょう。入社後も出世競争には一生懸命であったけれど、配属、異動、転勤、昇進などキャリア形成は会社任せだった人も少なくないはずです。

 改めて「あなたがやりたいことは何?」と問われると、答えられない人も散見されます。しかし、第2の職業人生を創り出す時に、やりたいことへの内側から湧き出るモチベーションがなければ、歩み出す心構えも方向も定まりません。

 自分の中に軸のないまま、「何となく」「先輩をまねて」といった転職や起業では、少しのつまずきや一度の挫折でめげてしまい、転職を繰り返す可能性が高いのです。実績は当然のこととして、そもそも仕事への思いを語れない中高年人材を進んで中途採用する企業があるでしょうか。キャリアビジョンなき退職は、流浪の始まりなのです。

その2、変化に対応できない人

 大企業のミドルには1つの専門分野に長年携わってきた人も多いでしょう。まだ会社に評価されている間は幸いです。しかし専門領域に固執し、社内の他の仕事や会社全体の動き、社会や経済の変化などに関心がなく視野狭窄に陥っているなら要注意。

 中高年が古びてきた専門スキルにこだわり、変化への対応に抵抗感を持つようになると知命的です。いまや大幅な事業再編で自分の仕事が部門ごとなくなる場合もあるでしょう。それでも専門業務からの転換を命じられた時に、腐っているようでは第2の職業人生は切り開けません。

 50代からの転職は往々にして前職より規模の小さな企業で働くことになります。大企業から中小企業に転職すれば自ずと幅広い仕事を担うことが求められますし、独立起業すれば、あらゆる仕事を自分一人でこなす覚悟が必要です。変化の時代には、新たな状況や環境の中で貪欲に学ぶ姿勢が不可欠なのです。その準備ができていない早期退職はリスクが大きいのです。

その3、根拠なく楽観する人

 大企業で一定のポストに就き、高い収入を得ているミドルには、自分にそれだけの社会的価値があるというプライドがあります。そのために、自分の市場価値や相場をしっかり調べることもせず、根拠なき楽観主義に陥いる場合があります。

 「大手の管理職経験者の自分なら中小企業の仕事など簡単に務まるはず」「転職先の年収は、ぜいたくは言わずとも700万位は欲しい」など。しかし、そもそも大企業の管理職世代が得ている高額の年収は、初任給や若手時代の給与が低く抑えられた分、後払いで高く支払われる年功序列型ゆえ、現時点での本人の能力に対する時価ではありません。

 日本の雇用者の4割は年収300万円以下であり、自分の転職後の市場価値を正しく見積もれば収入半減以下の可能性もあるのです。さらに言えば、セカンドライフで実際にどれだけのお金が必要なのか、現実的な生活レベルの見直しも必要でしょう。その準備も覚悟もない人は、辞めてはいけません。

その4、自分を客観視できない人

 「上司が自分を正当に評価しない」との理由で退職を考える人は少なくないものです。上司への不満や上司と折り合わない悩みは、多くの組織人に共通します。確かに中には理不尽な上司もいるでしょう。しかし、上司への不満ばかりを語り、感情的な行動に走る人は、往々にして自分を客観視できていない傾向があります。

 自己評価と上司からの評価が違う場合、客観的には上司評価の妥当性が高い場合が多いものです。特に大企業の評価システムでは、上司は個人的感情だけで部下を評価できず、多面評価や人事部門からの情報も踏まえている場合も多いでしょう。自己評価は主観的で高めなのに対して、低く感じられる他者評価のほうが実像に近いものなのです。

 そもそも上司からの評価が低く関係が良くないのなら、それをいかに改善、解消するかこそが、キャリア自律したプロフェッショナルに求められる力です。上司との人間関係を理由に転職しても、また同じことを繰り返します。起業し自営業に転じたら「顧客が評価してくれない」とこぼしても、はじまりません。それを改善し、価値を提供するのが仕事なのです。そうした冷静な判断ができないうちに辞めるのは危険です。

 著書『50歳からの逆転キャリア戦略 「定年=リタリア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方』(2019年11月19日発行、PHP研究所)では、以上の4つタイプの他に3つのタイプも詳しく解説しています。そのうえで、50歳からの20~30年を生き生きと生き抜く具体的な事例を紹介し、自分のキャリア戦略をオリジナルワークシートでシミュレーションして考えられるように構成しています。人生100年時代。キャリアの後半戦に後悔したくない方はもちろん、前向きにもう一勝負したい方はぜひご一読頂ければと思います。

(前川孝雄)

ITmedia エグゼクティブ

最終更新:11/22(金) 11:36
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