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「SNSやめればいい、では済まない」“捨て垢”からの中傷、対策ある?

11/22(金) 9:52配信

西日本新聞

 「即刻死ねって言ったじゃんか」「ブロックして逃げた気になってんの?ww(=笑いの意味)」-。会員制交流サイト(SNS)で、架空の人物として作られた「捨て垢(すてあか=「捨てアカウント」の略)」からの誹謗(ひぼう)中傷に悩む声が西日本新聞「あなたの特命取材班」に届いた。今や情報の取得や共有に欠かせないSNSだが、こうした行為への対処は難しいのが現状。有効な手だてはあるのか。

【画像】「捨て垢」から中傷被害を受けたら…どうすればいい?

「いたちごっこ」

 西日本地域に住む20代の男子大学生のスマートフォンに、LINEで嫌がらせのメッセージが繰り返し届くようになったのは5年ほど前のこと。送信者の欄にある名前は「光源氏」や「中臣鎌足」。身に覚えがなく、誰かも見当がつかなかった。

 こうしたメッセージは多いときには一晩で10通以上に及び、目を背けたくなるような画像が届くことも。このアカウントからの受信を拒否する設定をしても、また別のアカウントから同様のメッセージが頻繁に届いた。男子学生は「いたちごっこ。どうしようもなかった」と振り返る。

削除しても、心には残る

 SNSの利用者は、主に使用するアカウントとは別に匿名のアカウントを取得し、情報発信や交流をするケースが少なくない。このうち「捨て垢」はいつでも削除、放棄できることを前提にした匿名のアカウントで、嫌がらせ目的のものは少なくない。

 「捨て垢」は簡易的に作られているため、中傷を受けても、相手を特定できる情報は乏しい。さらにアカウントそのものを削除された場合、本人を特定するのが極めて難しくなる。嫌がらせの書き込みもSNS上からは消えるが、被害を受けた大学生は「自分の心の中からは、嫌がらせのメッセージが消えることはない」と苦しい胸の内を明かした。

対策には限界も

 ツイッターやインスタグラムなどの主要なSNSでは、わいせつ画像▽個人へのなりすまし▽ヘイトスピーチや差別的内容▽攻撃的または脅迫行為-などを違反として規定。利用者が該当する投稿を報告できる仕組みを作り、削除依頼やアカウントの凍結要請を受け付けている。

 ツイッター社では一度凍結されたアカウントは二度と登録できないようにする防止策も導入している。投稿が残っていないと、報告ができない。

 身近な相談窓口として、総務省の「インターネット違法・有害情報相談センター」がある。本名などの個人情報を登録すれば、ネット上でのいじめや裏サイト、学校や企業側の対応など総合的な相談にメールなどで応じる。誹謗(ひぼう)中傷を受けたという相談者に対しては、サイト管理者への書き込み削除依頼▽発信者情報の開示請求▽弁護士への相談-などを案内している。

 ただ、これらの対応も書き込みが残っている場合のみに有効。桑子博行センター長は「書き込みやアカウントを削除されると、対応は難しい」。

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最終更新:11/26(火) 22:32
西日本新聞

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