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【特集】海底火山『鬼界カルデラ』“大津波”を引き起こす可能性!?過去には噴火とともに何が...

2019/11/22(金) 17:52配信

MBSニュース

そして驚くべきことに、その津波の痕跡は鬼界カルデラから約1000kmも離れた三重県の南伊勢町周辺でも見つかったのだ。伊勢志摩のリアス式海岸に点在する池の一つである「座佐池」、ここでもアカホヤのすぐ下から巨大津波の痕跡が出てきた。

「10mのパイプで取れる限界くらいのところなんですけど、まさに南九州から飛んできた火山灰。真っ白い火山灰の下に巨大な津波のものと思われるものが見つかった。まさかこんなものが目の前に現れるとは想像つきませんでした。」(高知大学 岡村眞名誉教授)

噴火で関西や徳島にも津波か

こうしたアカホヤと巨大津波の痕跡が一緒に見つかった例は三重県だけではない。信州大学で堆積学が専門の山田昌樹助教らの研究グループも西日本の各地から同様の痕跡を見つけている。

「別府湾の海底活断層の津波の堆積物の研究をしている時に、深度6mくらいのところにアカホヤの火山灰の厚いのが出てきて、その直下に粗粒なイベント層、明らかに普通にたまったものではないイベントの砂層が5cmくらい見つかった。共同研究だが、和歌山県とか徳島県でも同様に鬼界アカホヤの火山灰があって、その直下に砂層が見つかった。」(信州大学 山田昌樹助教)

山田助教らの研究グループは調査で得られたデータを基にシミュレーションを行い、津波が及んだ範囲を割り出した。

「岡村さんの三重県も含め、西日本の広い範囲で、もちろん日本海側は別だが、太平洋側の広い範囲に津波はいっているだろうと。」(信州大学 山田昌樹助教)

そのシミュレーションの結果、まず鬼界カルデラに近い薩摩半島沿岸には30m級の巨大津波が襲い、続いて九州東岸部の大分県には4.3mの津波が襲来。近畿周辺には徳島県に7.3m、和歌山県にも4mの津波が到達していた可能性があることが分かったという。

「鬼界カルデラから津波が伝搬して、2時間半くらいで徳島県や和歌山県、そして別府湾に。さらに1mにも満たないような津波が淡路島の脇から大阪湾とか瀬戸内海の方にも少し入っている。」(信州大学 山田昌樹助教)

神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授は、巨大カルデラ噴火について、今後100年間の発生確率は1%とし、最悪の場合は約1億人の犠牲者が出ると説明している。火山噴火は遠い場所での出来事かもしれない。しかし、巨大な噴火が引き起こす“津波の可能性”について、私たちは意識を改める必要がありそうだ。

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最終更新:2019/11/22(金) 19:56
MBSニュース

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