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レーシングカーの部品も作り出す中小企業の玉手箱

11/22(金) 12:05配信

日刊工業新聞電子版

タマチ工業、3Dプリンター活用

 タマチ工業(東京都品川区)は、2016年に独SLMソリューションズ製の金属積層造形機「SLM500HL」を西富士工場(静岡県富士宮市)に導入した。「トポロジー最適化」設計により、高強度で軽量な部品の造形を可能にする。製造部生産技術課AMグループの山口篤志プロジェクトリーダーに設備や活用状況について聞いた。

金属3Dプリンターの第一人者が警告「人材を育てないと日本は遅れてしまう」

 ―導入の狙いは。
 「当社がこれまで製造してきたレース用自動車のエンジン部品のサイズに対応できるよう大型サイズの購入を決めた。従来のアルミニウム材やカーボン材は軍需、航空機からレーシングカーという流れで普及したが金属3Dプリンターも同様だろう。鋳造にはできない複雑形状を製作でき、軽量化需要にも応えたい」

 ―利用状況は。
 「実際、車体に部品を搭載した例としては早稲田大学の学生フォーミュラーのレーシングカー。コンピューターで理論的に最適な形状を導き出すトポロジー最適化設計によりサスペンション部品を製作し、レースで完走を果たした。ほかにも、ブラケットなど小型部品も製造している」

 ―今後の展開は。
 「展示会でも金属3Dプリンターを紹介しており、ロボットに用いるヒートシンクなど自動車以外の新規顧客からも引き合いがくるようになった。電機分野での経験を積めばEV(電気自動車)シフトにも対応できるだろう。当社は自由にチャレンジできる環境があり、他社に先行して材料・設計などのノウハウや技術を蓄積したい」

 ―生産性の向上にも取り組んでいます。
 「自社で金属粉末の回収装置を開発した。造形後、加工対象物(ワーク)に残った材料の粉末を自動で除去し再利用する。従来は手作業で行っていたが、入り組んだ部分の粉末まで除去できなかった。同装置はワークを回転させ、振動により粉末を再利用できる品質を保って回収できる」

日刊工業新聞南東京支局・増田晴香

最終更新:11/22(金) 12:05
日刊工業新聞電子版

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