ここから本文です

HPVワクチン「積極的勧奨再開の議論を始めるべき時」 厚労省検討会で複数の委員から初の意見

11/22(金) 18:41配信

BuzzFeed Japan

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチン。小学校6年生から高校1年生の女子を対象に公費で受けられる定期接種となったが、体調不良を訴える声が相次ぎ、対象者に個別にお知らせを送る積極的勧奨を国が中止して既に6年5ヶ月が過ぎた。【BuzzFeed Japan Medical/岩永直子】

自分が対象者であることも知らずに、うつ機会を逃している女子が多くいるとみられるが、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が11月22日に開かれ、複数の委員から「積極的勧奨再開を議論すべき時にきている」との意見が出された。

HPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられてから、こうした意見が一斉に委員から出されたのは初めて。

26日には自民党がHPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟を発足させる予定。

接種率が1%未満となる中、世界保健機関(WHO)や医学界は科学的根拠に基づいた政策を求め続けており、厚労省が再開に向けて舵を切れるかどうかが問われている。

また、このワクチンについて情報提供するリーフレットについて、内容を見直す検討を始め、ヘルスコミュニケーションや広告制作、親への医療情報の啓発活動を行う専門家が参考人として意見を述べた。

「積極的勧奨再開を議論すべき時にきている」

この日は、いつものように様々なワクチンについての副反応疑いが報告された後、桃井眞里子座長が「2013年の6月に積極的勧奨の差し控えがあってから、だいぶん年月が経ちました。その間、様々な分析、解析がなされた」とこれまでのHPVワクチンに関する議論を振り返った。

その上で、2013年6月に「(副反応の)発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間」として差し控えられた後、様々な症状に対する論点整理や副反応の頻度が解析されてきたことに触れ、「委員の皆様から、現状についてどうすべきかフリーな意見を伺いたい」と問いかけた。

日本医師会の長島公之常任理事は、「科学的な根拠に基づいて判断し、国民の最大幸福を判断基準にしていくべきだ。HPVワクチンの接種が有用であることを示す科学的な知見が近年世界から報告されている」

「日本において極めて低い接種率が今後も続くことは、国民にとって大きな不利益。接種率を高くするために最も有効な方法は、積極的勧奨を再開することだと考えます。再開への行程を具体的に検討する時期ではないか」と再開を求める発言の口火を切った。

国立感染症研究所名誉所員の倉根一郎氏も、「接種後、症状が出た場合の診療体制も整ってきており、どういう治療をすれば症状を回復し、社会生活に戻れるかという知見も集まってきている。発がんに対する(効果の)データも海外で出ている。少なくとも議論を始める時にはきている」と訴えた。

他の委員からは、「HPVワクチンが神経系に影響を与えるという論文が出ていることも確かだが、この論文は却下されている。そういう情報も国民に知らせていくべきではないか」という意見も出た。

さらに、同席していた国立研究開発法人国立成育医療研究センター理事長の五十嵐隆・安全対策調査会長は「できるだけ再開の方向への議論をしていただきたい」と意見を述べた上で、接種後に体調不良を起こした人への治療について、こう注文をつけた。

「訴えられている症状をバイオ・サイコ・ソーシャルモデル(身体的、心理的、社会的な要因を総合的に踏まえて診療するモデル)で捉えて対応できるかというとまだ十分ではない。訴えをじっくり聞いて一緒に治していく治療は現行の保険医療では成り立たない。健康保険制度で成り立つように考慮していただきたい」

痛みに配慮した接種方法も考えるべきという意見も出て、積極的勧奨再開に向けて、議論を続けることが確認された。

1/3ページ

最終更新:11/22(金) 18:41
BuzzFeed Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事