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日韓GSOMIA失効は一時回避したが…在韓米軍撤退への備えを

11/22(金) 22:28配信

FNN.jpプライムオンライン

11月22日午後6時、日韓軍事情報包括保護協定=GSOMIAが失効するわずか6時間前に日韓政府は電撃的な合意を発表し、すんでのところで失効は回避された。韓国に対して繰り返し強い口調でGSOMIA延長を求めたアメリカの圧力が影響したと考えられる。 日米韓の安保協力の象徴であるGSOMIAの失効が、一時的とはいえ回避されたのは日本の安全保障にとっては喜ばしい事だろう。

【画像】在韓米軍戦闘機 在韓米軍が撤退した時、果たして日本は・・・

一方で、今回の問題を巡って浮かび上がった事がある。それは同盟国アメリカの圧力にギリギリまで抗った韓国政府の同盟観と、最後までGSOMIAは破棄すべきとの意見が過半数を占めた韓国の対米強硬世論だ。「日本の輸出管理の問題でGSOMIA破棄を決めたのに、なぜ韓国にだけ圧力をかけたのか」という韓国のアメリカへの不満は燻るだろう。GSOMIAの危機は一旦回避されたが、対米感情の悪化という傷が残った。この傷が広がりかねない別の大きな問題がある。

高まる韓国の反米感情

韓国では現在、反米感情が急速に高まっている。その背景の1つは、GSOMIA破棄決定に対するアメリカの 露骨な破棄撤回圧力だが、それ以上に反米感情が高まる要因になっているのが、在韓米軍の駐留費分担金問題だ。 韓国政府は在韓米軍の駐留費用の一部を払っていて、現在その額は年間およそ1兆ウォン、日本円で920億円余りだ。米韓両政府は来年以降の分担金をいくらにするのか交渉を行っているが、アメリカ側は一気に5倍以上となる50億ドル、日本円でおよそ5400億円を要求した。

この法外な分担金の値上げは、トランプ大統領の意向とみられる。アメリカ国内からも「やりすぎ」との批判が出るこの大幅値上げが、GSOMIAによって火が付いた反米世論にガソリンを注いだ。安保よりも金の問題の方が身近なのだ。

文在寅大統領を支える与党「共に民主党」のスポークスマンは11月20日、ハリー・ハリス駐韓アメリカ大使が50億ドルを支払うよう圧力をかけたと主張し「あまりにも傲慢」「こんな無礼な大使は初めてだ」「ハリス大使がいる限り、米国大使館に食事に行かない」などと強く非難した。同盟国の大使に対して使う言葉としては、相当な強さだ。

メディアも黙ってはいない。文政権を支持する革新派の京郷新聞は11月15日に社説で「トランプ政権の利己的で思慮の浅い振る舞いは韓米同盟に対する韓国国民の疲労感を募らせるだけだ」と強く批判した。同じく革新派のハンギョレ新聞は11月21日の1面の見出しでトランプ大統領を「マフィアのようだ」と書いた。

革新派だけではない。文政権に反対する保守派・朝鮮日報も11月13日の社説で「とんでもない要求には応じることはできない」と批判し、アメリカの合同参謀議長が「アメリカがなぜ同盟国のために人命と財産を犠牲にするのか」と問題提起した事を分担金増額への圧力と捉え「韓国国民は北朝鮮と中国とロシアからの安全保障のために核武装をはじめ全ての決断を下すしかない。それならば韓国に在韓米軍は必要ない」とまで言い切ったのだ。

韓国の保守派は基本的に親米だ。その代表格である朝鮮日報が核武装まで持ち出したのは、米韓関係の悪化どころか、米韓同盟が大きく揺らぐ状況、具体的には在韓米軍の撤収すらあり得る状況への大きな危機感の表れだと言える。

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最終更新:11/22(金) 22:32
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