ここから本文です

スイス・クリプトバレーに集まるスタートアップの意外な国籍──“隠し口座”の終わりに中立国が強める新戦略

11/22(金) 6:00配信

CoinDesk Japan

ブロックチェーンや暗号技術を活用する海外の企業やスタートアップを誘致してきたスイスのクリプトバレー(Swiss Crypto Valley)。チューリッヒの南に位置するツーク市を中心とするクリプトバレーには2020年、再び多くの海外企業が集まってきそうだ。

ツークのスタートアップエコシステムを束ねるクリプトバレー協会(CVA=Crypto Valley Association)で、エグゼクティブ・ディレクターを務めるアレクサンダー・シェル(Alexander Schell)氏によると、同エリアに拠点を開くブロックチェーン関連の企業数は現在、約830。

その中で最も多い企業はアメリカ国籍、次いでドイツ、3番目に多いのが香港からだと、シェル氏はCoinDesk Japanの取材で明らかにした。また、最近ではブラジルやコロンビア、ベネズエラなどの南米諸国のスタートアップが、スイス拠点の開設を検討するケースが増えていると、同氏は話す。

17世紀までさかのぼる銀行の秘密主義

2017年7月の設立以来、CVAはクリプトバレーに集まるスタートアップの資金調達や人材確保、税務アドバイス、オフィス探しなどのサポートを続けている。ローカルの理工学系大学や金融機関とも連携しながら、暗号資産・ブロックチェーン領域のエコシステムを形成する役割を担っている。

クリプトバレーを中心に、スイスはなぜ国を挙げて海外のブロックチェーンやフィンテックベンチャーの誘致に熱を入れるのか。

「海外の銀行口座を利用した脱税を取り締まるための国際連携が求められる中で、(スイスの)銀行が続けてきた顧客情報の秘匿性は過去5年で大きく変化してきた」とシェル氏は言う。「スイス政府は新たな方針のもとで、金融のハブを作ろうとしている」と続けた。

スイス公共放送協会・国際部「swissinfo.ch」によると、同国の銀行の秘密主義の歴史は17世紀にまでさかのぼる。銀行の秘匿性を堅持しようと、政府は国際圧力に抵抗してきたが、スイスは過去5年で、海外の銀行口座を利用した脱税を取り締まるための国際枠組みに加わった。同国が築いてきた金融・経済の名声や競争力を維持するためには、OECD基準に従うことが重要だと考えたからだ。

スイス連邦政府は2018年9月、EU加盟国を含めた30カ国以上の政府と金融情報の交換を初めて行った。今後、連携国の数をさらに増やしていくという。

1/3ページ

最終更新:11/22(金) 6:00
CoinDesk Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事