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英の女性、46歳までに半数が介護を経験 男性より10歳早く

11/22(金) 14:46配信

BBC News

女性が高齢や病気、障害を抱える家族の介護の責任を負い始める年齢は、男性よりも10歳以上低いことが、イギリスの研究で明らかになった。

シェフィールド大学とバーミンガム大学の共同研究によると、女性の半数が46歳までにこうした役割を担うのに対し、男性の半数が同じ役割を負うのは57歳だった。

また、イギリスの成人の3分の2が、人生のどこかで無給で介護を行うことになる可能性があるとしている。

この調査を委託した介護者の慈善団体「ケアラーズUK」は、全ての介護者に5~10日の有給介護休暇を与えるべきだと訴えている。

この調査では、1991~2018年の間に行われた社会・経済調査「British Household Panel Survey」と「Understanding Society」の参加者のデータを分析した。

その結果、成人の65%が家族のために無給で介護を行っていることがわかった。

介護者になる確率は女性が70%に対し、男性は60%だった。

また女性の場合、46歳までに調査対象者の半分が介護者になっていた。一方、男性の半数に介護者になる機会が訪れるのは、57歳になってからだった。

家族の介護をしている人の多くは中年層で、46%が46~65歳だった。平均では、50歳までに介護者になる確率は50%だという。

■ラヴィさんの経験談

ラヴィさんは母親が亡くなって以降、26年にわたって父親の介護を断続的に行ってきた。

しかし12年前、80代になった父親が心臓手術を受けたことで責任が増した。また2018年に父親が心筋梗塞を起こしてからの1年半は特に過酷だったという。

ロンドン西郊ハンズロウ在住のラヴィさんは現在50代。BBCの取材に対し、1日6時間を介護に当てていると話した。食事を作り、血糖値を測定し、薬を飲ませ、心筋梗塞で話ができなくなった父親の声代わりとなっている。

一方でラヴィさんは、ソーシャルワーカーとしてフルタイムで働いている。介護の重責は、ラヴィさんの健康に大きな影響を与えているという。

「もうこれ以上は無理と思うところまで来たら、いったん立ち止まって、先へ進めるようになるまで自分を居心地の良い場所に置かなくてはなりません」とラヴィさんは話す。

「言うべきでないことを言ってしまうこともあります。でも上司は『あなたもただの人間なんだから』と言ってくれます」

「我慢も理解もたくさんしていますが、本調子でなかったり疲れていると、平静を保つのが難しくなります」

また、父親から受ける感情の刃にも傷ついているという。

「父のいら立ちや感情に対処しなくてはなりません。矛先を向けられるので。父は昔より、もっと怒りっぽくなりました」

ラヴィさんは、介護者に対する有給休暇などを含む支援があれば歓迎すると話した。

「社会を広く見ると、他人があなたを見て表面的に大丈夫なら本当に大丈夫だと思ってしまうけれど、(介護は)本当にストレスフルで疲れます」

■「大きな対価」

この調査を主導したスー・イーンドル教授は、「介護は誰にとっても大事なことだ。愛する人が深刻な状況に置かれたときには、その人にとって貴重な支援となる」と話す。

「介護は何百万人の女性によって支えられているが、同時に男性の生活にも影響を与えている。しかし、その対価は非常に大きい。金銭的な困難、健康状態の悪化、社会的な孤立などだ」

ケアラーズUKのヘレン・ウォーカー会長も、「多くの人たちが無給の介護人になるとは思っていないが、現実には3分の2の人々がそうなる」と指摘した。

「我々の調査では、介護の影響を受けているのは圧倒的に女性だということが分かった。愛する人の健康や家計、仕事との両立といった難しい選択を迫られ、男性よりも10年も多く介護に従事している」

ケアラーズUKは今後、12月の総選挙で誕生する新政府に対し、社会福祉への長期的な投資と共に、介護者に5~10日の介護有給休暇を得る権利を与えるよう求めていくとしている。

(英語記事 'Half of women will be carers by the age of 46')

(c) BBC News

最終更新:11/22(金) 14:46
BBC News

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