ここから本文です

「世界監視カメラ都市ランキング」トップ5を独占したある国の事情

2019/11/23(土) 6:00配信

AMP[アンプ]

中国が監視カメラを増やす犯罪抑止ではない理由

Comparitechの監視カメラ都市ランキングでトップ10に入った中国都市を含め、中国全土では今後も監視カメラを増やすことが計画されている。CompariTechのまとめによると、2020年までに中国国内の監視カメラ台数は2億~6億2,600万台に達する見込みだ。現時点で192万台の監視カメラが設置されている深センでは、今後数年で新たに約17万台が設置されると見られている。

なぜ中国はここまで熱心に監視カメラを導入するのか。犯罪抑止という側面もあるが、多くの海外メディアや専門家が指摘しているのは、社会監視システムである「天網(スカイネット)」の強化だ。

監視カメラの映像とAIによる画像解析によって、中国国内にいるすべての人々の身元を特定するシステム。2012年に北京で始まった取り組みだが、中国政府は2020年までに中国全土での導入を目指している。また、この仕組みは中東、アジア、アフリカ、南米などに輸出されているといわれている。

中国メディアは天網の存在意義について、犯罪者や行方不明者を見つけることに寄与するシステムであると主張。

一方、欧米メディアや米国議会は、このシステムが中国国内の活動家の不当逮捕、ウイグルやチベットなどでの少数民族の弾圧に利用されているとし、厳しい非難を浴びせている状況だ。

AIによる画像認識精度は、アルゴリズムの発展とデータベースの増強によって日々高まりを見せている。世界はテクノロジーによって、ディストピアを生み出してしまうのかどうか、中国の事例はそのことを考えるよい材料といえるだろう。

文:細谷元(Livit)

3/3ページ

最終更新:2019/11/23(土) 6:00
AMP[アンプ]

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事