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想像以上に海外進出が進む韓国コスメ、米国と日本の違い

2019/11/24(日) 11:16配信

ニュースイッチ

「体験」を売る、日本は「難しい市場」

 韓国では1997年の通貨危機を境に、IT産業およびアイドルやテレビドラマ・映画などのコンテンツ産業を強化してきた。そのコンテンツ産業とともに成長し、世界に広がっていったのが化粧品だ。その強みはどこにあるのか。

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 近年韓国では化粧品関連工場が急激に増加。現在では2500ほどが稼働し国内のみならず世界中からのOEMを請け負っている。2013年~2014年には1年に800工場ほどが新設されたという。

 韓国の化粧品工場はユニークな発想の新製品開発が活発だ。BBクリーム(※1)やクッションファンデーション(※2)など、世界的トレンドとなってきたものも多い。世界の化粧品市場や動向を調査・取材する「BeautyTech.jp」編集長の矢野貴久子氏は、「韓国で新しい発想のコスメが生まれる背景には、『スキンケアアイテムは先行している欧米や日本メーカーに敵わないので発想で勝負しよう』という機運があるため」と話す。

 その「新たな発想」をオープンイノベーションの形で同業他社の間で横展開している点も特徴的だという。例えばクッションファンデーションは2010年に「アイオペ」という韓国コスメブランドが初めて発売した。アイオペはアジアで第三位の規模であるアモーレパシフィックがプロデュースしている。「アモーレパシフィックほど大きな企業であれば特許にして囲い込んでしまってもよいと思いますが、技術をオープンにしています」(矢野氏)。

 韓国はOEMメーカーの横のつながりが強く、クッションファンデーションの評判の良さが伝わり技術革新が進み、一気に広まった。現在では世界中の主なメーカーで発売されているが、韓国OEMに製造を発注しているメーカーも多く、技術をオープンにしたことで結果的に韓国のコスメ業界が潤うという状況になっている。また他国メーカーがクッションファンデーションを発売し良さを謳うことで、結果的に韓国コスメへの興味喚起や地位確立につながる。

 韓国の化粧品産業について、韓国の化粧品関連OEMと日本・米国の化粧品メーカーのマッチング事業を行う「Cosmepolitan Korea」CEO & Founderの尹美晶氏は「例えばクッションファンデは外箱、外容器、内容器、パフ、印刷、充填などがそれぞれ別会社で行われており、1つの商品で5社以上が関わっていることもあります。それぞれが強みを生かし、次々に新しい商品を出すことでスピード感のある製品開発~販売を実現しています」と解説する。

 そして韓国コスメの重要なキーワードとなっているのが「体験」だ。まず、商品そのものの価値として、今までにないようなユニークなコスメが多い。唇を染めることで色落ちを防げる「ティントリップ」などの例がある。

 低価格商品のシートマスクも、従来の「スペシャルなもの」というイメージを覆し、毎日のスキンケアに取り入れるものとして浸透させた。動物やキャラクターの顔がプリントされたマスクも登場し、楽しみながらスキンケアすることができる。メイクアップ商品のパッケージも使いやすさ優先というより、ぱっと目に留まるようなデザインが多い。

 購買時も「購入したいから店舗に行くのではなく、『楽しい体験ができる』イメージが定着しています」(尹氏)。SNS映えするディスプレイや、その場で化粧品をカスタマイズするようなイベントなども行われている。

 さらに最近話題となっているのが、地域性やストーリーなどの背景を売りにするブランドだ。2018年に立ち上がった「owndo」は韓国の山間部で育つ植物原料をもとにスキンケア商品を作っている。原料を使うだけでなく、その地域へツアーを企画しセミナーを行うなど体験型のPRも行う。「コスメだけでなくライフスタイルを提案するブランドも増えており、消費者側もストーリーや体験を選ぶ、という動きが大きくなりつつあります」(尹氏)。

 協力的なOEMが多いという恵まれた環境もあり、化粧品スタートアップが乱立する韓国。スピード感を持って開発から製品化までを行うことや、決済機能のあるECサイトを簡単に立ち上げられる点も寄与している。「ビデオコマースも主流になっており、コスメPRを請け負っていたマーケティング企業がそのノウハウを活かし、逆にコスメブランドを立ち上げた例もあります」(尹氏)。韓国でユニコーン企業とされる6社のうち1社が化粧品メーカー「L&P Cosmetic」だということも、韓国コスメ業界の勢いを物語っている。

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最終更新:2019/11/24(日) 11:16
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