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「成年後見制度」利用伸び悩み…救いの手は後見人次第

11/24(日) 9:02配信

西日本新聞

 認知症や知的、精神障害で判断能力が低下した人の生活と財産を、親族や法律の専門家が守る「成年後見制度」の利用が伸び悩んでいる。認知症患者が2025年に約700万人に達すると国が推計する中、利用者は約21万8千人(18年末)にとどまる。預貯金を他人に管理されることなどが敬遠される要因とみられる。制度開始から来年で20年。弱い立場の人を、社会が後ろ盾となって支える成年後見の現状を報告する。

 紙にガソリン代の領収書を数十枚貼り、車の走行距離を1キロ単位で書く。「母のためにかかった交通費を請求するんです。やっと受け取れるようになった」。九州の60代女性は苦笑した。

 母は80代で施設暮らし。認知症のため遺産分割協議の手続きができず、制度を利用することにした。

家庭裁判所が選んだのは見ず知らずの司法書士

 女性は当初、知人の専門家に後見人になってもらうことを望んだ。しかし、家庭裁判所が選んだのは見ず知らずの司法書士。母の通帳は管理され、「本人のため」と思った支出が認められなくなった。

 母の自宅は空き家になったものの、施設に退所を求められたときに備え、管理するよう家裁に言われた。身内の法事も定期的に行っている。それでも、故障した家電の買い替えは「本人が住んでいない」と司法書士に拒まれた。

 家の風通しや通水、庭や田畑の草刈り。母との面会、施設との打ち合わせ。車で週の半分ほど通っても、給油代を通帳から出してもらうのは渋られた。

「母のために本人のお金を使うのに…」

  「母のために本人のお金を使うのに、なんで他人の許可がいるんですかね」

 相続手続きが終了後、司法書士に辞任を求め、自身が後見人になった。家裁と直接話すと、ガソリン代の請求は認められ、除草は外注を勧められた。母の預金を充てるよう言われた。

 司法書士に支払った報酬は100万円近く。女性は無報酬で後見業務をしており、「最初から私が後見人になっていれば」と憤る。

市民が利用をためらう現状

 家族の預金が第三者の手元に置かれる。使い道を巡り、後見人になった専門家と意見が食い違う-。女性の例は、市民が利用をためらう現状を表している。

 最高裁判所によると、制度の利用者は18年末、記録が残る10年末から約1・5倍に増えた。ただ、認知症患者の増加を考えると、まだ少ないといえる。

 理由の一つは、後見人らの多くが法律の専門家から選ばれること。制度の開始当初は約9割が親族から選ばれていたが、財産の着服が相次いだこともあり、近年は親族以外が7割以上を占める。

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最終更新:11/24(日) 9:02
西日本新聞

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