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<野田女児虐待死>検証委「救える命だった」 問われる行政の本気度

2019/11/26(火) 11:44配信

千葉日報オンライン

 先生、どうにかできませんか-。勇気を持って、学校アンケートに父親からの虐待をこう訴えたにもかかわらず、未来を奪われた心愛さんについて、検証委の報告書は「救える命であった」と結論づけた。森田知事は「大変厳しいご指摘、多岐にわたる提言を賜った。二度と起こさない気持ちで取り組む」と受け止めたが、後を絶たない虐待死の防止へ、今度こそ行政の本気度が問われる。

 報告書は、心愛さんが周囲の大人たちに助けを求めたことを「(虐待を受けている)児童本人がこうした訴えをすることはまれであり、何としても守られるべきだった」と強調。10歳の少女の必死のSOSとは対照的に、児相や市などが不十分な対応を続けた状況も克明に記述。結びでは「ミスがミスを呼び、リスク判断が不十分なまま一時保護が解除された」「漫然と推移した末に(虐待死という)痛ましい結果を招いたと言わざるを得ない」と、関係機関の対応を厳しく批判している。

 女児の母親の公判にも自ら足を運び、10回に及んだ検証委の会議をとりまとめた川崎二三彦委員長は記者会見で「関係機関には基本に立ち返って取り組んでもらいたい」と強調。

 関係者への聞き取りでは、父親の勇一郎被告に「独特の威圧感」を感じた人が多かったと明かす。従順な態度を示して保護を解除させ、解除後には「(児相が関与する)法的根拠は何か」と迫るなど、単に高圧的なだけではない人物像が浮かび上がったという。

 虐待対応の研修機関のトップも務める川崎氏は、関係機関を翻弄(ほんろう)し心愛さんを奪還した父親を「非常に特徴的」と表現。ただ、対処に苦慮する相手だったとしても、基本に忠実に「子どもを守るにはどうするか」を第一に考えるべきだったと訴える。

 報告書を受け、担当の県健康福祉部は、既に始めている対策に加え、抜本的な体制拡充を図る方針を表明。職員個々の対応力強化に向けた職員研修を近く実施し「虐待対応マニュアル」の改定も進めるという。

最終更新:2019/11/26(火) 11:44
千葉日報オンライン

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