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AI時代にこそヒトの読解力が重要

11/26(火) 18:05配信

ベネッセ 教育情報サイト

人工知能(AI)をはじめとした技術革新で、今ある仕事の半分が入れ替わるとも言われます。そんな時代に生きる子どもたちには、まずは教科書をきちんと読める「読解力」が必要だというフォーラムが先ごろ、東京都内で行われました。
読解力を今後、どう育成していけばいいのでしょうか。

文章の「読めない」社員は企業にもリスク

フォーラムを主催したのは、「リーディングスキルテスト(RST)」を実施する「教育のための科学研究所」。AI「東ロボくん」の東京大学合格を目指した国立情報学研究所のプロジェクトをきっかけに発足した一般社団法人です。
「東ロボくんの母」で、20万部を超えるベストセラー『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』でも知られる新井紀子・同研究所教授が代表理事を務めています。

東ロボくんプロジェクトでは、2016年のセンター模試で国公立を含む7割の大学に合格可能性80%以上という成績を上げたにもかかわらず、「東大受験」は断念しました。というのもAIには、文章の意味を理解することができません。膨大な辞典や教科書、入試の過去問、インターネット上の情報などから、キーワードを頼りに答えを探すしかないのですが、それでは記述式の東大入試には対応できない見通しが立ったからです。
プロジェクトを通して、深刻な問題が浮かび上がりました。AIには決してできない能力を持っているはずの子どもたちが、教科書の文章をきちんと読めず、AIと同じようにキーワードだけで問題を解こうとしていたことです。それではAIに仕事を奪われるのは当然です。そこで開発されたのが、RSTです。

RSTは学校だけでなく、企業でも活用されています。その結果、一部上場企業であっても、中学生並みにしか文章を読めない社員が一定いることが分かりました。それではコンプライアンス(法令順守)も危うくなります。RSTの成績を見ただけで、その社員がどういう受験方式で大学に受かったかまで当てられると言う新井教授はフォーラムで、企業にとっても「高校の教科書を読める人材を雇用することが、AI時代の組織にとって最大のリスクヘッジ(危険回避)になる」と指摘しました。

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最終更新:11/26(火) 18:05
ベネッセ 教育情報サイト

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