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最終決戦の地は一見さんお断り!? 渋野日向子が初挑戦の宮崎CCには“コツ”がいる【辻にぃ見聞特別編】

11/27(水) 12:03配信

ゴルフ情報ALBA.Net

申ジエ(韓国)と渋野日向子の一騎打ちかと思いきや、鈴木愛が史上2人目の3週連続優勝などで一気に賞金を加算して三つ巴となった今年の賞金女王争い。奇しくも鈴木が戴冠した17年以来2年ぶりに争いは最終戦までもつれ込んだ。

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戦いの舞台は幾多の名勝負を生んできた宮崎カントリークラブ。かつて鈴木がメジャーを勝って初出場した際に「今の私では太刀打ちできない」と漏らしたというほど、一見さんお断りの難コースに渋野は初めて挑むことになる。一方でジエは同舞台2勝と好相性だ。そんな最終決戦の地を上田桃子らのコーチを務める辻村明志氏が解説する。

■ツアーで一番選手が“首をかしげる”グリーン
宮崎カントリークラブ一番の名物と言えば2019年シーズンで3会場しかない高麗グリーン(残り2つは「ダイキンオーキッドレディス」の琉球ゴルフ倶楽部、「フジサンケイレディス」の川奈ホテルゴルフコース 富士コース)。これがくせ者なのである。

「元々目が強いのに、時季的に枯れ芝と言うこともあって、例年、琉球、川奈よりもスピードがかなり速い。さらに1つのグリーンでも芝目が3方向に向いていたりします。極論を言えば、同じライから打っても同じ回転をするとは限らない」(辻村氏)

ただし、今年はやや傾向が違うようだ。「今年はほかの大会もそうでしたが、雨が多かったこともあって、今までのようにパンパンではありません。だからこそ、しっかり打てることが求められると思います」。この辺りは渋野に追い風となるかもしれない。

とはいえ、攻略に向けて誰もがポイントに挙げる高麗芝。辻村氏が「ツアーで一番選手が“首をかしげる”グリーンと言っていいでしょう」と話す難グリーンを攻略できなければ勝機は見えてこない。

■難グリーンにたどり着くまでも決して優しくない
問題はそのグリーンにたどり着くまでも一筋縄ではいかないところ。「ドッグレッグが多く、ティショットの落としどころが狭いホールも多い。距離が長いコースではないですが、フェアウェイに置くにはコツがいるコースといえるでしょうね」。例えで挙げたのが3番ホール。緩い右ドッグレッグだが、フェアウェイには大きな右傾斜がある。さらに海に向かって打つため風の計算も問われる。ラフまで行けばボギーは濃厚だ。

また、先述の通り狙うグリーンは高麗芝。ティショットをフェアウェイに置けたとしてもまだまだ油断はできない。

「パッティングだけに芝目が影響するわけではありません。ショット、アプローチだって大きな影響を受けます。先ほども言ったように、グリーンによっては目が3方向くらい向いているホールもある。それを踏まえたうえでの選択ができるのか。頭の良さ、マネジメント力、そして経験が問われます」

グリーンを外せばまた厄介なものが顔を覗かせる。「グリーン周りはティフトンの芝とそうでない芝のところがある。ティフトンはスピンを入れづらい。アプローチを寄せるためには、芝の種類の見極めも非常にカギとなる。渋野さんのポイントとなるのは特にアプローチでしょうね」。

■伸ばす5ホールと耐える5ホール メリハリが勝利へのカギ
また今大会は全選手が1番ティからスタート。通常のトーナメントのようにインコースからスタートする選手はおらず、全選手が同じ順番でホールをこなしていく。そのなかでカギとなるのが、大きくおもむきの変わる2つのゾーン。

「難易度の高い宮崎CCですが、9番から13番にかけての5ホールは比較的伸ばしやすいホールが続きます。この“稼ぎゾーン”でどこまで伸ばせるか。そして14番からの5ホールはスコアを崩しやすいホールが続く。17番は比較的やさしいですが、それ以外はボギーとなる可能性が非常に高い。特に今年は18番のティが下がって432ヤードの打ち上げと非常に距離が長くなりました。(14~18番は)その前とは全く別の5ホールとなります。13番まで伸ばしていたからといって、そのままイケイケでやってはダメ。その辺りのクレバーさ、流れを読む力が非常に問われます」(辻村氏)

これらの要素がかみ合わさった結果、経験がない選手は成績を出すのが非常に難しいこととなる。それ以外にも大会2勝のテレサ・ルー(台湾)が「変な方向から吹くから、そのジャッジも難しい」というように海風も頭を悩ませる。

宮崎CCでの開催となった2003年以降、今大会初出場で優勝したのはインビー・パーク、イ・ボミ(ともに韓国)の2人だけ。渋野はデータを吹き飛ばす活躍を見せることはできるのか。そしてマネークイーンの行方やいかに。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。著書には『ゴルフ トッププロが信頼する! カリスマコーチが教える本当に強くなる基本』(河出書房新社)がある。

(撮影:村上航)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:11/27(水) 12:03
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