ここから本文です

チキンサンドに何が起きているのか 全米で人気爆発の背景

11/27(水) 8:16配信

ITmedia ビジネスオンライン

 米国で最近、ファストフードチェーンのチキンサンドが殺人に発展した事件が話題になった。なんでも、11月4日に男性(30歳)が発売されたばかりで話題のチキンサンドを手に入れるため長蛇の列に並んでいたところ、割り込んできた人物にキレて殺害してしまったという。

【画像】アメリカで最も売れているチキンサンド

 さらに、全米各地にある同じファストフードチェーンの店舗では、話題の新商品をオーダーするのに数時間待ちのところもあり、殺人とまではいかないが、客同士のトラブルなどが頻発しているという。

 このファストフードチェーンとは、フライドチキンが売りの「Popeyes Louisiana Kitchen(以下、ポパイズ)」。これらの騒動の発端は、数カ月前までさかのぼる。ポパイズが、8月に新商品のチキンサンドを発売したところ、人気になりすぎて全米の店舗で即座に完売してしまった。

 新商品の発売に合わせて、用意していた約2カ月分の在庫が、なんと2週間ほどでなくなるという事態になったのだ。そのため、11月3日にチキンサンドの販売が再開されると、うわさを聞きつけてきた客がポパイズの店舗に殺到。あまりにも忙し過ぎて従業員がキレたり、解雇される者まで出たり、騒動はしばらく続いている。

 たかがチキンサンドで、そこまで熱狂するものだろうかと思ってしまうが、実はいまチキンサンドは、米国でかつてないほど注目を集めているのだ。米国のファストフード業界では「チキン戦争」なるものが勃発しているという。

 チキンサンドに一体何が起きているのか。

なぜ人をひきつけているのか

 まず、今回の騒動を引き起こした、ポパイズの新商品であるチキンサンドはなぜ人をひきつけているのか。この新商品は、バターたっぷりのブリオッシュ生地のバンズに、スライスしたピクルスとフライドチキンが挟んである、拍子抜けするほど非常にシンプルなチキンサンドになっている。

 実は、このチキンサンドは、ポパイズにとって30年ぶりとなる、気合の入った新商品なのだ。これまで、ポパイズのメニューは、フライドチキンやフライドシュリンプなどの揚げ物とサイドディッシュが中心で、バーガー類は一切なかった。

 しかし、近年チキンサンドの人気が急上昇していることを受け、いわゆる「チキン戦争」に参戦する勢いで、新商品を投入したのだ。

 そのような中で、ポパイズが脚光を浴びることに成功したのは、ソーシャルメディアを使った巧みなマーケティングの効果によるところが大きい。

 ポパイズは、Twitterを使って競合ブランドのツイートにツッコミを入れたり、より親近感のあるトーンでメッセージを発信し、ブランド認知度を上げることに成功した。

 さらに、黒人ユーザーが集まる「Black Twitter」のような、特定のユーザーが集まり影響力のあるオンラインコミュニティーで、ポパイズのチキンサンドが注目されたことも人気を後押しすることにつながった。

1/3ページ

最終更新:11/27(水) 10:26
ITmedia ビジネスオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事