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「いきなり!ステーキ」に異変!?いきなり“ブレーキ”のワケ 売上高「4割減」で44店舗が退店

11/28(木) 16:56配信

夕刊フジ

 ボリューム満点のステーキを気軽に楽しめるとして話題を集めた外食チェーン「いきなり!ステーキ」に異変が起きている。わずか6年で489店舗まで拡大、1000店舗の目標を掲げていたが、10月の既存店売上高が約4割減と落ち込み44店舗の退店を発表した。肝心の現場はどうなっているのか。(内藤怜央)

 運営企業のペッパーフードサービスは2019年12月通期の最終損益見通しを当初の約15億円の黒字から約25億円の赤字に下方修正した。

 13年12月に1号店を出店した「いきなり!ステーキ」は急成長を続けてきたが、既存店売上高は今年1月の前年同期比80・5%から下げ止まらず、10月には同58・6%と厳しさを増している。

 記者は平日のランチの時間帯に、東京都内の「いきなり!ステーキ」を訪れると、サラリーマンらの列ができており、スタッフに「注文から提供まで20分ほど頂きます」と案内された。

 「ワイルドステーキ」300グラム(税抜1390円)を注文すると、まずセットのサラダとスープが通された。本命のステーキが出てきたのは宣言通り注文から約20分後。歯ごたえのある本格的なステーキだが、わさびやマスタードも用意されていて飽きずに食べることができ、値段相応の満足感があった。会計時には「今日はお待たせして申し訳ありませんでした」と丁寧に接客された。

 全ての店舗でこのサービスが提供できるならば、安定した人気を得られそうなものだが、外食ジャーナリストの中村芳平氏は「一気に1000店まで伸ばそうとした見通しが甘かったのではないか。ステーキチェーンへの需要が本物だったのか、店舗拡大のペースに従業員の育成がついていけたのかなどを十分検討せず力で振り切ろうとした結果、逆回転しているようだ」と分析する。

 同社は業績下方修正の理由を「いきなり!ステーキ」で「自社ブランド同士の競合が発生している」と説明した。同社は「いきなり!ステーキ」のほか、薄切り牛肉を焼く「ペッパーランチ」も展開している。

 両店が併設する商業施設の運営について事情を知る関係者は「店舗同士の距離が非常に近く、コンセプトも似た2店が顧客の食い合いにつながらないかという懸念があった。それでも『十分な集客を見込める』とペッパー社が強調した上でオープンに踏み切った」と内幕を語る。

 ライバルも台頭している。前出の中村氏は「松屋フーズが運営する『ステーキ屋松』、沖縄発のステーキチェーン『やっぱりステーキ』など競合も増えてきた。44店舗の退店では済まないほど整理を余儀なくされるかもしれない」と指摘した。

 経済アナリストの森永卓郎氏は「いくらステーキと言っても、立ち食い店舗で1000円を上回る価格は高いが、店舗数を整理すれば一定の客層は確保できるのではないか」とみる。

 外食業界で注目されているのがケンタッキーフライドチキンの成功だ。「『特別な日に食べるもの』『おいしいけど高い』というイメージを払拭する勝負に出たことで業績回復につながった。一方で250円から買えるモーニングセットにチキンは導入せず、プレミアム感も維持した」と森永氏。やり方次第では復活の目もあるようだ。

最終更新:11/28(木) 16:56
夕刊フジ

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