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オトナがぬいぐるみと寝るって変? 相棒の「大手術」を機に考えた 専門「病院」は来年6月まで予約

12/4(水) 7:02配信

withnews

私には9歳からの相棒、スピカがいます。小さい頃からの思い出を分かち合ってきたかけがえのない存在で、今も毎日一緒に寝ています。最近、専門クリニックで「大手術」も受けさせたのですが、その間、無事に終わるか心配で心配で……。ペットのことかなと思った方、ノンノン。ハムスターのぬいぐるみなんです。このクリニックは、来年6月まで予約がいっぱいになるほどの盛況ぶり。でも、そんなこんなを職場で話していると、明らかに引いている同僚がいました。えっ、いいオトナがぬいぐるみを愛で続けるって、そんなに変? (朝日新聞記者・藤えりか)

【画像】長年抱きしめ続けたぬいぐるみの「大手術」、治療前後の写真はこちら 痛々しい場面も……

擬人化徹底、ぬいぐるみ専門クリニック

ぬいぐるみを専門に「治療」する、国内でも珍しい「杜の都なつみクリニック」(東京都台東区)を知ったのは約2年前。長年抱きしめ続けたせいで、最近ではちょっと抱き上げただけで中のビーズがこぼれる状態になり、「このままではスピカがもたない!」と、本格的に「治療」をしてもらえるプロをネットで探しまくったのです。

ぬいぐるみ修復を請け負う他の事業者も見つかったものの、預けるのは宅配オンリーだったり、そもそも誰がやってるかもわからない状態だったり。とても安心して預ける気持ちになれず途方に暮れていたところ、このクリニックにたどり着きました。

外科や内科、眼科、耳鼻咽喉科と人間の病院さながらの診療科目を掲げ、ぬいぐるみを徹底して擬人化。そうした姿勢にぬいぐるみへの愛を感じました。これまでの「患者」の具体的な「治療」プロセスの写真や、院長の箱崎菜摘美さん(33)の経歴や写真なども載せていて透明性も高そうだと思い、スピカの相棒として姉から譲り受けたおさるのあいちゃんとともに、託したのでした。

9歳からの思い出がつまったスピカ

スピカとの出会いは小学3年の春休み。祖父母の家に初めて、ひとりで飛行機に乗って遊びに行くことになり、お供を求めて母と近所のおもちゃ屋さんへ。陳列棚に鎮座していた彼の愛くるしいまなざしに釘づけになりました。

昔放送されていたテレビアニメ『若草のシャルロット』の主人公のそばにいるスピカという名のハムスターのぬいぐるみだったのですが、アニメの雰囲気とも、同じ形の別のぬいぐるみとも違う独特の表情に惹かれました。母いわく、「お店に入るや迷わずスピカを手に取って抱きしめていたよ」。

以来、子ども時代の記憶はいつもスピカとともにありました。寝る時も食べる時も一緒。学校で嫌なことがあると抱きしめ、そばにいると安心できました。家族旅行で撮った写真をいつぞや見返すと、スピカを握りしめながら写っていて、我ながら本当にいつでもどこでも一緒だったんだなあと改めて思います。

記者になり、超多忙な日々を送るにつれ、一緒に過ごす時間はさすがに徐々に減りましたが、家にいる時はたいていそばにいました。

当然、次第に黒ずんでゆき、もともとあったヒゲはどこかにいってしまい、生地もほつれてゆきました。そのたび自己流の「手術」でしのいだのですが、生地を内側から補強したりするプロの知恵もなく、縫い合わせるたび少しずつやせていきました。気づけば生地はすっかり薄くなり、院長の箱崎さんに「治療」をお願いしました。

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最終更新:12/4(水) 7:02
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