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ついに200gを切った本格ドローン、DJI「Mavic Mini」を飛ばす

11/28(木) 8:00配信

Impress Watch

■Spark欠品?

今年8月頃からだったろうか、DJI「Spark」を購入しようと思っていたのだが、DJIの公式サイトではずっと欠品が続いていた。9月、10月と2カ月経っても販売が再開される様子はない。そうなると考えられるのは、Sparkのポジションに変わる後継機が出るということだ。

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そんなわけでいったん物欲を引っ込め辛抱強く待っていたところ、10月31日に「Mavic Mini」が発表された。これまでの小型最軽量機Sparkに変わって、この機体が小型最軽量機となる。

最大の特徴は、本体+バッテリーで200gを切ったところ。ご存じの方もあるかと思うが、DIDと呼ばれる国土地理院が指定する人口集中地区でドローンを飛ばす際には、航空法上の許可が必要となる。ただこれは、「本体+バッテリーの重量が200g未満のものを除く」という但し書きがついている。

これまでの最軽量機Sparkでも重量が300gなので、DID上空を飛行するには許可申請が必要だったわけだが、ほぼ同じ性能ながらも許可申請不要で飛ばせるようになったというのは大きい。この200g制限は日本独自ルールなので、DJIはわざわざ日本のユーザーのために、レギュレーションに合わせたモデルを投入してくれたという事になる。

公式ストアでの価格は、本体を含む基本セットで46,200円(税込)、スペアパーツや予備バッテリー等を含むFly Moreコンボが59,400円(税込)となっている。

改正航空法の施行以来、国内コンシューマではドローン熱がサーッと冷めてしまったように見えるが、本機の登場でまた盛り上がりを見せるかもしれない。今回はこのMavic Miniをじっくりテストしてみたい。

■軽さの秘密

Mavic Miniは、アームを展開すると、プロペラ外周で245×290mm程度のサイズになる。確かに小型機ではあるが、GPSも積まずマニュアルでしか飛行できないようなオモチャではない。

軽さの秘密は、バッテリーだ。日本向けのバッテリーは容量を半分以下に少なくし(海外モデル:2,400mAh/日本モデル:1,100mAh)、軽量化が図られている。日本以外の国向けには大容量バッテリーが販売されており、合計重量が249gとなる。大容量バッテリーは、日本での発売予定はない。「Mavic Miniなら200g以下」という決め打ちで、例外を作りたくないということであろう。なお日本向けバッテリーの飛行時間は、約18分となっている。

こんなに軽くても、ジンバル付きカメラが搭載されている。有効1,200万画素のC、1/2.3型CMOSセンサーを搭載し、レンズは35mm換算で24mm/F2.8の単焦点となっている。

撮影解像度は、静止画4:3で4,000×3,000、16:9で4,000×2,250ピクセル。動画は2,720×1,530/30pか、1,920×1,080/30,60pとなる。動画の最大ビットレートは40Mbps。

プロペラは片羽根ずつ別々に装着するスタイルで、自由に動く。モーターが回転すると遠心力で拡がるという構造だ。Fly Moreコンボに付属のプロペラガードは、左右から挟み込むようなスタイルで、かなり広い範囲をカバーする。初心者に配慮した結果だろう。

底部にセンサーが仕組まれており、GPSだけでなくこのセンサーを使ってホバリングポジションを維持する。なお上位機種に搭載されている対物センサーは搭載されておらず、自動で障害物を避けたり停止したりする機能は省かれている。

コントローラも見ておこう。スマホを下側に挟み込むいつものパターンで、設計としてはこなれた感がある。伝送は2.4GHzと5.8GHzに対応するが、日本で使用できるのは2.4GHz帯のみで、伝送距離は約2kmとなっている。なおライブビュー解像度は720/30pで、4Mbpsだ。

充電ハブは、同時に3つのバッテリーを充電可能。ただ電源入力がMicro USBなので、USB Type-Cのような高速充電は期待できない。なおこの充電ハブからUSB-A端子を使って電源供給することもできる。もっとも日本向けバッテリーは容量が少ないので、そこからわざわざ電源を取るという用途は少ないだろう。

キャリーバッグは、ドローン本体とコントローラ、充電ハブのほか、ACアダプタやケーブル類を収納できる。

■小さくてもDJI、抜群の安定性

では早速撮影してみよう。本機よりコントロールは「DJI Fly」という新しいアプリになっている。従来の「DJI GO」と比較すると、機能的にはかなりシンプルになっている一方で、飛行禁止や制限エリアが確認しやすくなっており、自由に飛ばせる一方で安全面にも重点がおかれる作りとなっている。

なお制限エリア内で飛行するには、200g以下の機体でも許可が必要になる。飛行許可を得てフライトする機能は、12月下旬のアップデートで対応するという。

飛行中に表示される機体やカメラのステータスもあまり細かいところまで表示されなくなっており、映像画面を広く取っている印象だ。

フライトモードとしては、CineSmooth、ポジション、スポーツの3モードがあり、順にコントロールに対して俊敏に動くと考えればいいだろう。サンプルではCineSmoothとスポーツモードのレスポンスを比較している。スポーツモードは機体速度が上がるが、そのかわり機体角度も大きく動くため、ジンバルのカバーを超える事がある。その場合は映像がガクッと動く。安定した動画撮影を行なうには、動きがおとなしいCineSmoothがオススメである。

撮影機能として、ジンバルはブレ防止のために3軸で動くが、マニュアルで撮影角度が変えられるのは上下角だけである。コントローラ左側のダイヤルで上下角を変更できる。

■クイックショットは4つだけに

DJIと言えば、ターゲットを中心に様々なパターンで飛行し、自動で動画を撮影してくれる「クイックショット」がウリである。この機能は過去のMavicシリーズでは6種類が搭載されていたが、Mavic Mini、というかDJI Flyではドローニー、ロケット、サークル、ヘリックスの4種類となっている。ブーメランとアステロイドがなくなったわけだ。この2つの動きはちょうど「Mavic 2」シリーズの際にテストしている。なお、被写体を自動で追尾していく機能は搭載していない。

個人的に残念なのは、2点間を指定すると自動的にその間を飛行して撮影する「コースロック」機能がなくなったところだ。やはりこれはポイントの指定は難易度が高いということだろう。同様にハイパーラプス機能もなくなっているが、これは軽量バッテリーゆえに飛行時間が短いため、致し方ないところかと思う。

■総論

世の中にはセルフィを撮ることに特化した小型ドローンも多数存在する。ただそれらはGPSやセンサーカメラを使ってその場でホバリングできる程度であり、ドローンの楽しみというよりも、スマホアクセサリに近い。

一方Mavic Miniは、DJIのガチなドローンから機能を削っていって誰でも撮影とフライトが楽しめるようにした、本格ドローンである。飛行の安定性や安全性の配慮という点でも、オモチャレベルではなく本物だ。

確かに200g以下であれば、一般的な場所での許認可は不要ではあるが、事故を起こさないような注意も不要かと言えばそれは別問題である。いくら自動帰還機能が付いているとはいっても、機体が肉眼で見えないほど遠くまで飛ばすのは無責任だろうと思う。

本文中も触れたが、たとえ200g以下でも飛行場付近や重要施設の周辺は飛行禁止区域として指定されている。加えて各地の条例でも飛行禁止に指定されているエリアがあるので、そうした場所で無秩序に飛ばさないという配慮は必要だ。加えて高さも150m以内に、夜間はフライトしない、人の近くでは飛ばさないといったあたりは、最低限のルールとして知っておくべきだろう。

2015年の首相官邸ドローン墜落事件をはじめ、数多くの墜落事件によってドローンの未来は一度死んだ。もう一度殺さないように、我々はこのMavic Miniというチャンスを大事に扱う必要がある。

AV Watch,小寺 信良

最終更新:11/28(木) 8:00
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