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「サムスン物産合併前に株価操作」未来戦略室の文書を入手

2019/11/28(木) 18:51配信

ハンギョレ新聞

2015年作成「M社合併推進」文書を入手 イ・ジェヨン継承に有利な合併のための グループレベルの相場操縦計画があらわに  「第一毛織の高評価に問題提起」を懸念 「取締役会後に株価を浮揚」明示し 実際に悪材料・好材料を選択して公開 サムスン側「文書については知らない部分」

 サムスングループのコントロールタワーだった未来戦略室が2015年4月、第一毛織とサムスン物産の合併を控えて、国民年金などの株主の賛成を引き出すために人為的な相場操縦を計画していたことが分かった。サムスンがサムスン電子のイ・ジェヨン副会長の経営権継承に有利な合併を成功させるために、グループレベルの計画を作成し株価操作を敢行したとの疑惑が事実だったことがわかった。

 27日、ハンギョレが確保した「M社合併推進(案)」文書は、2015年4月に別添資料3ページを含め合計14ページで構成されていた。文書には、第一毛織とサムスン物産の合併手続、日程、具体的な合併戦略などが書かれていた。作成した主体は書かれていないが、過去の未来戦略室の文書と様式や表現が同じで、未来戦略室が作成したものと推定される。実際、第一毛織とサムスン物産の合併推進事実は、文書が作成されて1カ月後の2015年5月26日に取締役会を通じて公開され、7月17日の株主総会を通じて確定した。当時「1対0.35」(第一毛織 対 サムスン物産)の合併比率をめぐり、第一毛織の大株主であるイ副会長に有利で、国民年金などサムスン物産の株主には不利だという指摘が出ていた。

 サムスンは合併推進文書で、合併比率に対して国民年金などサムスン物産の株主の問題提起があることを予想し、これを防ぐために合併決議後に“株価浮揚”に乗り出さなければならないと明示した。サムスンは「(国民年金が)第一毛織の株価がサムスン物産に較べて相対的に高く評価されたとし、合併比率に問題を提起する可能性がある」として「現株価は、物産の総資産の0.7倍、毛織は3.4倍」と明らかにした。サムスン自らもサムスン物産が総資産に比べて株価が過小評価され、第一毛織は過大評価されたと認識していたのだ。

 これに伴いサムスンは、「今(2015年4月)から株主総会および株式買い取り請求期限まで株価管理が必要」だとし「株価の悪材料要因は第1四半期実績に反映、または合併取締役会公示前に市場にオープンし、株価に先に反映されるよう」にし、「株価の好材料要因は合併取締役会後の7~8月に集中させ、株価(を)浮揚」しなければならないと明示した。国民年金などサムスン物産の株主の合併賛成を引き出し、株式買い取り請求権の行使を最小化するために、合併公開直前に株価をわざと引き下げ、公開後に株価を上げる戦略を立てたのだ。これに先立ってサムスンは2014年11月、サムスンエンジニアリングとサムスン重工業の合併を推進し、国民年金が株価の下落を理由に株式買い取り請求権(合併に反対する株主が自身の株式を会社に売れる権利)を行使し、合併が失敗に終わったことがある。

 サムスンは、具体的に公開される株価の好材料要因として「サムスンバイオエピスのナスダック上場の可能性、(サムスン物産の)建設受注発表など」を挙げた。合併決議の前後に悪材料の情報と好材料の情報を選択して公開し、事実上人為的な“株価操作”を計画したと見られる内容だ。

 実際、5月26日の合併決議前、サムスン物産はその年の上半期の住宅景気が活況だった状況でマンションを300世帯余りしか供給せず、合併決定後の7月以後にソウルに1万994世帯のマンションを供給する計画だと明らかにした。また、合併決議前に2兆ウォン(約1860億円)規模のカタール複合火力発電所工事を受注していながら公開せず、合併後の2015年7月末に公開した。第一毛織は7月1日、主要系列会社のサムソンバイオロジクスの子会社であるサムソンバイオエピスの米国ナスダック上場推進の事実を公開した。

 法曹界では、文書に記載された行為が資本市場法で禁止された相場操縦行為(株価操作)に該当する可能性が高いと見ている。結果的に、この合併でイ・ジェヨン副会長は3兆~4兆ウォン(約2800~3700億円)の利益とグループ支配力の強化という果実を得て、国民年金は5千億~6千億ウォン(約470~560億円)の損失を被ったと参与連帯は推算している。

 これに対してサムスン電子側は「私どもも知らない内容なので、何も言えない」と話した。

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/11/28(木) 18:51
ハンギョレ新聞

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