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「強制動員被害」3通りの解決策…接点見出すか、後遺症残すか

2019/11/28(木) 13:02配信

ハンギョレ新聞

激しい反発受ける「ムン・ヒサン案」 韓日企業の寄付金+義捐金+60億 立法化推進に被害者・団体反対 「対立回避を意図」ムン議長に抗議  被害者「共同要求案」…政府は「1+1案」 原告被害者、議論を経て12月に発表 「日本の事実認定・謝罪、必ず含める」 政府、ムン・ヒサン案と距離をとりつつ意見集約

 日帝強制動員被害者問題をめぐり、ムン・ヒサン国会議長案、政府案、訴訟を起こした被害者が中心となった要求案がそれぞれ作られているなど、解決策を見出すための動きが活発だ。しかし、「ムン・ヒサン案」には被害者たちと関連市民社会団体が強く反発しており、立法化されれば大きな後遺症が残ることが予想される。

 27日のムン・ヒサン議長側関係者たちの言葉を総合すると、韓日企業の寄付金と国民の自発的な義捐金、2015年韓日政府間合意で作られ解散した「和解・治癒財団」に日本が拠出した基金の残高60億ウォンで、強制動員被害者たちに「慰謝料」を支給するという内容で立法化が推進されている。

 これをもとに、ムン議長が「記憶人権財団」を作って3千億ウォンの基金を集め、訴訟原告の被害者1人当たり2億ウォンを1500人に慰謝料として支払うという案が報道されたが、ムン議長室はこれに対して「草案にすぎず、今は内容や金額などが大きく変わっている」と明らかにした。ムン議長室は26日に強制動員被害者たちと非公開で会談し、27日には関連法案を発議した与野党議員たちの意見を聞いた。

 「ムン・ヒサン案」について日本からは前向きなシグナルが出ているが、最高裁で勝訴判決を受けた被害者をはじめ市民社会団体は強く反発している。訴訟に参加した被害者側の関係者は、「ムン・ヒサン議長案は、歴史的視点に立ってすべての強制動員被害者の問題を同時に解決しようというのではなく、韓日対立の火種をなくすよう管理するというものだ」と批判した。「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」や「強制動員問題解決と対日過去清算のための共同行動」などの被害者団体と市民社会団体は、同日午後に国会の正門前で記者会見を開き、「ムン・ヒサン議長案は、日本政府と企業の責任を曖昧にし、無効化された2015年の慰安婦合意を蘇らせようとするもの」とし、「被害者を侮辱するな」と批判した。彼らは国会を訪問し、ムン議長に抗議書簡を手渡した。

 これとは別に、訴訟中の強制動員被害者らは議論の実効性を高めるため「共同要求案」をまとめている。これに参加している関係者は「日本が事実を認めることと謝罪は変わり得ない前提ということが要求案に入る。12月中に要求案を発表する」と語った。

 一方、政府の支援も受けられず訴訟に打って出ることもできない被害者たちも、解決策づくりの動きに相当な関心を示している。26日にソウル鍾路(チョンノ)の日帝強制動員被害者支援財団でムン・ヒサン議長室が開催した被害者懇談会には、当初用意された40席に対し100人以上がつめかけ、「なぜ私たちは入れないのか」と抗議の声をあげてもいる。江原道から来た「太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会」のホン・ヨンスク会長は、「強制動員被害者とは認められたが、生きて帰ってきたという理由で何の支援も受けられていない」とし、「訴訟はごく少数の人しかできない。ムン・ヒサン議長案で被害者の一部だけを支援すれば、軋轢は続くしかない。報勲などの実質的な措置をしてほしい」と要求した。しかし、一部の被害者・遺族団体は、「ムン・ヒサン議長の法案が処理され、被害者の補償と名誉回復が実現するよう求める」と支持する請願書を出すなど、被害者内部でも意見の食い違いが大きい。強制動員被害者は150万~200万人と推定されている。

 韓日企業の自発的な基金で原告被害者問題を解決しようという「1+1」案を6月に日本に提案した政府は、まだ具体的案を作るというより、最高裁判決の遵守、被害者の同意などの5つの原則を守るとして、被害者の意見を集約することに集中している。政府は「ムン・ヒサン案」とは距離をとっているようだ。政府関係者は、「ムン・ヒサン議長案は日本側の責任を問わないなど、最高裁判決と食い違う面がある。政府では真剣に検討されている案ではない」と述べた。
キム・ソヨン、イ・ワン、キム・ミンジェ記者
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/11/28(木) 13:02
ハンギョレ新聞

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