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富士フイルム「X-Pro3」レビュー:ドM向きに見せかけた、ドS向きカメラ

2019/11/29(金) 19:00配信

ギズモード・ジャパン

思ってたのと違う。「すべて自分次第」なカメラ。

背面液晶を隠した「撮ることに集中しろ」と言わんばかりのデザインが発表直後から大きな話題を集めている、富士フイルムのデジタルミラーレス一眼「X-Pro3」。この2019年最大のダークホース的カメラを1週間ほど使ってみました。

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結論から言うと、その印象はとにかく意外なものでした。

というのも、一見「ギリギリまで割り切ったエクストリームなカメラ」なイメージのプロダクトですが、実際に使って感じたのは「徹底的にカスタマイズできる、許容範囲の広いカメラ」というものだったのです。

X-Pro3

これは何?:富士フイルムのデジタルミラーレス一眼

価格:21万4500円前後~

好きなところ:チタン部分の高級感。柔軟なカスタマイズ性。進化したフィルムシミュレーション。

好きじゃないところ:チタン以外のボディ材質がチープ。思ったよりエッジーなカメラではない。

第一印象は「戸惑い」。どう使いたいのかを問われるカメラ

X-Pro3を使って真っ先に感じたのは「どう使うか」がユーザーに委ねられているということ。

オートかマニュアルか?
EVFかOVFか?
撮影後のEVFプレビューを使うかどうか?
露出計を使うかどうか?
フィルムシミュレーションに画作りを任せるか、それともRAWで後から手を入れるのか?

これらを選べるのと同時に、選ばなくてはなりません。

まずは、背面液晶が隠れているというX-Pro3の“アナログ全開”なイメージに引きずられてか、OVFを使って露出計をOFFにし、ISOとシャッタースピード、フォーカスまでをすベてマニュアルで操作してみました。

しかし、レンジファインダー機ではないためOVFではピントを合わせづらく、MFのメリットをほとんど感じられませんでした。そこでAFへ変更することに 。

一見すると「マニュアル機」といった印象のX-Pro3ですが、そこは最新ミラーレス機。当然シャッタースピードもISOも(純正レンズを使用すれば絞りも)すべて「A(オート)」が用意されています。

つまりフルマニュアルから、部分的なオート、そしてスマホカメラのようなフルオートまで、自由に選ぶことができるのです。

これによって「面倒くさいカメラ」として使おうと思えばそういうカメラになりますし、「手軽に使おう」と思えばどこまでも楽ができるカメラにもなります。

さらに言えば、背面液晶が隠れているとはいえ、簡単に撮影した写真を確認することができます。

実は、液晶を引っ張り出さなくとも、撮影後に右手親指で「PLAY」ボタンを押せば、ファインダー内ですぐに撮影画像を確認できてしまいます。

つまりこれは「X-Pro3らしさ」を消そうと思えば、どこまでも消せてしまうということ。

だから「こう撮りたい」という意思を強く持っていないと、普通のデジカメにさえなってしまいます。

「新しいカメラを買うことで自分の写真が変わるかも」なんて淡い期待は捨てましょう。これはドM向きに見せかけて、ドS向きカメラです。

さて、話題を戻すと、今回のレビューにおける最終的なX-Pro3の撮影設定は「絞り以外すべてオート」に落ち着きました。

そのコンセプトは「旅の終わりにフィルム現像を楽しむ」というもの。

コンパクトフィルムカメラのように、OVFでできるだけオートで手軽に撮って、最後にMacで写真を確認したときに「そういえばこんな写真も撮っていたね」なんて感覚や、「こんなきれいに撮れていたんだ!」という驚きを楽しみたかったのです。

まるで、「どう写真と向き合いたいのか」に柔軟に合わせられるエミュレーター的なカメラ。

自分なりのコンセプトを立てて設定することで、X-Pro3の印象は大きく変化しました。

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最終更新:2019/11/29(金) 19:00
ギズモード・ジャパン

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