ここから本文です

「和食は健康食」は本当なのか? 実は“塩の塊”

11/29(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【ドクター牧田 最強の食事術】#1

 白いご飯とお味噌汁、それに納豆、梅干し、塩鮭(甘口)、ひじきの煮付け。これらはビジネスホテルなどで出される和朝食の定番です。多くの人にとって和食のイメージはこの和朝食にあるのではないでしょうか?

 これを「和食」と定義すると、それは健康食ではありません。和朝食は塩の塊だからです。

 例えばこの「和朝食」の塩分量を考えてみましょう。味噌汁1杯で塩分1・2グラム、塩鮭(甘口)1切れは塩分2・1グラム、梅干し(中)1個で塩分2・9グラム、納豆のたれで塩分0・6グラム、ひじきの煮付けが0・36グラムなどの塩分が含まれている計算です。これは日本高血圧学会が推奨する1日6グラム未満を1食で超える量です。

 1日6グラム未満なんて厳しすぎる、と思う人もいるかもしれません。しかし、世界保健機関(WHO)の1日当たりの推奨塩分摂取量はさらに低く5グラムまでです。それは多くの研究から塩分摂取量を抑えれば血圧や循環器疾患、脳卒中、冠動脈疾患を抑えられることが明らかになっているからです。WHOは5グラムまでの目標を達成すれば毎年推定250万人の死亡が防げるとしています。

 私たちが世界一の健康食、長寿食と考えている和食には塩分過剰という致命的欠点があるのです。

 しかし、これはある意味で当然です。なぜなら、和食に限らず伝統食、ソウルフードというのは、食べ物が長持ちするように、塩漬けにする必要があったからです。

 しかも、「和食」を食べていたのは主に兵士や農民など肉体労働をする人たちです。汗とともに失われた塩分を補充するための塩分量が必要です。

 例えば、いまや健康食の代表的な素材とされる味噌の開発に力を注いだのは戦国武将たちでした。「信州」「仙台」味噌が有名ですが、それは武田信玄や伊達政宗が味噌の大量生産に乗り出し、兵士に持たせたからです。味噌の風味が失われないように芋がら縄に染み込ませて持ち歩いたり、通常は2~3カ月の熟成期間が必要な味噌を出発地から戦場に着くまでの20日間で完成する陣立て味噌を開発したりもしました。

 日露戦争では、長距離の行軍でも耐えられる、味噌と凍り豆腐が日本兵の食料となったのです。

(牧田善二/糖尿病専門医・AGE牧田クリニック院長)

最終更新:11/29(金) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事